中学受験理科の化学分野の攻略ポイント

中学受験の理科において、化学分野は多くの受験生が苦手意識を持つ分野のひとつです。水溶液の性質や気体の発生、中和反応の計算など、覚えるべき知識と理解すべき原理が多岐にわたります。しかし、化学分野は出題パターンが比較的明確であり、基本をしっかり押さえれば確実に得点源にできる分野でもあります。本記事では、中学受験における化学分野の頻出テーマを徹底解説し、効率的な学習法と攻略のコツをお伝えします。
中学受験理科の化学分野の攻略ポイント|水溶液・気体・中和を完全マスター
中学受験の理科において、化学分野は多くの受験生が苦手意識を持つ分野のひとつです。水溶液の性質や気体の発生、中和反応の計算など、覚えるべき知識と理解すべき原理が多岐にわたります。しかし、化学分野は出題パターンが比較的明確であり、基本をしっかり押さえれば確実に得点源にできる分野でもあります。本記事では、中学受験における化学分野の頻出テーマを徹底解説し、効率的な学習法と攻略のコツをお伝えします。
中学受験の化学分野で出題される主要テーマ
中学受験の化学分野は大きく分けて「水溶液」「気体」「燃焼」「中和反応」「溶解度」の5つのテーマに分類されます。それぞれのテーマは独立しているようで実は密接に関連しており、体系的に学ぶことが重要です。
近年の入試傾向として、単純な知識を問う問題よりも、実験の過程や結果を考察させる問題が増えています。グラフの読み取りや実験手順の理解など、思考力を試す出題が主流となっています。
| テーマ | 出題頻度 | 主な内容 | 学習のポイント |
|---|---|---|---|
| 水溶液 | ★★★★★ | 性質・分類・指示薬 | 11種類の水溶液を完全暗記 |
| 気体 | ★★★★☆ | 発生方法・性質・収集法 | 実験手順と気体の特徴を整理 |
| 中和反応 | ★★★★☆ | 酸とアルカリの反応 | 計算パターンを繰り返し演習 |
| 燃焼 | ★★★☆☆ | ものの燃え方・酸化 | 燃焼前後の質量変化を理解 |
| 溶解度 | ★★★☆☆ | 溶ける量・結晶 | グラフの読み取りを練習 |
化学分野は中学受験の理科全体の中でも計算問題が多い分野です。日頃から小数点以下の計算に慣れておくことが、化学分野攻略の第一歩となります。
水溶液の性質と分類を完全攻略する方法
水溶液は化学分野の中で最も出題頻度が高いテーマです。中学受験で覚えるべき水溶液は主に11種類あり、それぞれの性質を正確に把握することが合格への鍵となります。

酸性の水溶液(4種類)
酸性の水溶液には「塩酸」「酢酸水溶液」「炭酸水」「ホウ酸水」の4つがあります。塩酸は塩化水素が水に溶けたもので、強い酸性を示します。酢酸水溶液は食酢の主成分であり、炭酸水は二酸化炭素が水に溶けたものです。
中性の水溶液(3種類)
中性の水溶液は「アルコール水溶液」「砂糖水」「食塩水」の3つです。これらはリトマス紙の色を変化させません。食塩水は蒸発させると白い固体が残りますが、アルコール水溶液は蒸発すると何も残らないという違いがあります。
アルカリ性の水溶液(4種類)
アルカリ性の水溶液は「重そう水」「石灰水」「アンモニア水」「水酸化ナトリウム水溶液」の4つです。石灰水は二酸化炭素を通すと白く濁るという特徴があり、この性質は入試でも頻出です。
| 水溶液 | 性質 | 溶質 | 特徴・見分け方 |
|---|---|---|---|
| 塩酸 | 酸性 | 塩化水素(気体) | 刺激臭あり・金属を溶かす |
| 酢酸水溶液 | 酸性 | 酢酸(液体) | すっぱいにおい |
| 炭酸水 | 酸性 | 二酸化炭素(気体) | 泡が出る |
| ホウ酸水 | 酸性 | ホウ酸(固体) | 弱い酸性 |
| 食塩水 | 中性 | 食塩(固体) | 蒸発で白い固体が残る |
| 砂糖水 | 中性 | 砂糖(固体) | 蒸発で茶色い固体 |
| アルコール水 | 中性 | アルコール(液体) | 蒸発で何も残らない |
| 石灰水 | アルカリ性 | 水酸化カルシウム(固体) | CO2で白濁 |
| アンモニア水 | アルカリ性 | アンモニア(気体) | 刺激臭あり |
| 水酸化ナトリウム水溶液 | アルカリ性 | 水酸化ナトリウム(固体) | 強アルカリ性 |
| 重そう水 | アルカリ性 | 炭酸水素ナトリウム(固体) | 弱いアルカリ性 |
水溶液の学習は理科の暗記法を活用して、表を使った整理が効果的です。
指示薬の種類と色の変化を正確に覚える
水溶液の性質を調べるために使う指示薬は、中学受験で必ず出題されるテーマです。覚えるべき指示薬は5種類あり、それぞれの色の変化を正確に覚えることが求められます。

5つの指示薬と色の変化
- BTB液:酸性で黄色、中性で緑色、アルカリ性で青色に変化
- 赤色リトマス紙:アルカリ性で青色に変化(酸性・中性では変化なし)
- 青色リトマス紙:酸性で赤色に変化(中性・アルカリ性では変化なし)
- フェノールフタレイン液:アルカリ性で赤色に変化(酸性・中性では無色)
- 紫キャベツ液:酸性で赤色、中性で紫色、アルカリ性で黄緑色に変化
指示薬の覚え方のコツは、まずBTB液の「黄・緑・青」を覚え、次にリトマス紙は「反対の色になる」と覚えることです。BTB液は信号機の色に似ていると覚えると記憶に残りやすいでしょう。
入試では複数の指示薬の結果を組み合わせて水溶液を特定する問題が頻出します。例えば「BTB液で黄色になり、青色リトマス紙が赤色に変わる水溶液は何か」といった出題パターンです。こうした問題に対応するには、理科の実験問題対策で実験的な思考力を鍛えることが大切です。
気体の発生と性質を体系的に理解する
気体の分野は化学の中でも実験に関する出題が多いテーマです。気体の発生方法、性質、収集方法をセットで覚えることが攻略のポイントとなります。

主要な気体と発生方法
酸素の発生方法は「二酸化マンガン+過酸化水素水(オキシドール)」が代表的です。二酸化マンガンは触媒として働き、反応後も変化しません。酸素は水に溶けにくいため、水上置換法で集めます。
二酸化炭素は「石灰石(�ite calcium carbonate)+うすい塩酸」で発生します。二酸化炭素は水に少し溶け、空気より重いため、下方置換法で集めることもできます。石灰水を白く濁らせるという性質は、二酸化炭素の確認方法として重要です。
水素は「亜鉛(金属)+うすい塩酸」で発生します。水素は最も軽い気体で、水に溶けにくいため水上置換法で集めます。火をつけるとポンと音を立てて燃えるのが特徴です。
アンモニアは「塩化アンモニウム+水酸化カルシウム」を加熱して発生します。アンモニアは水に非常に溶けやすく、空気より軽いため、上方置換法で集めます。
| 気体 | 発生方法 | 性質 | 収集方法 |
|---|---|---|---|
| 酸素 | 二酸化マンガン+過酸化水素水 | ものを燃やす助けをする | 水上置換法 |
| 二酸化炭素 | 石灰石+うすい塩酸 | 石灰水を白濁させる | 水上置換法・下方置換法 |
| 水素 | 亜鉛+うすい塩酸 | 最も軽い・燃える | 水上置換法 |
| アンモニア | 塩化アンモニウム+水酸化カルシウム | 刺激臭・水に溶けやすい | 上方置換法 |
| 窒素 | 空気中に約78% | 燃えない・反応しにくい | 水上置換法 |
気体の収集方法の選び方は「水に溶けやすいかどうか」と「空気より重いか軽いか」の2つの基準で判断します。この判断基準を理解しておけば、初見の気体でも適切な収集方法を選べるようになります。詳しい解き方は理科の計算問題パターンでも解説しています。
中和反応の仕組みと計算問題の攻略法
中和反応は化学分野の中で最も計算問題が多いテーマです。基本的な仕組みを理解した上で、計算パターンを繰り返し演習することが重要です。

中和反応の基本
中和反応とは、酸性の水溶液とアルカリ性の水溶液を混ぜると、互いの性質を打ち消し合って水と塩(えん)ができる反応です。代表的な中和反応は以下の通りです。
塩酸+水酸化ナトリウム水溶液→水+食塩(塩化ナトリウム)
この反応式を「ことばの式」で理解することが最初のステップです。塩酸の中の塩化水素と水酸化ナトリウムが反応し、水素と水酸化物イオンが結合して水になり、残った塩化物イオンとナトリウムイオンが食塩になります。
中和の計算問題を解くコツ
中和の計算問題では「完全中和」の概念が重要です。酸とアルカリがちょうど過不足なく反応する点を完全中和点と呼びます。
計算のポイントは以下の3つです:
- 比例関係を利用する:塩酸の量と水酸化ナトリウム水溶液の量は、完全中和のとき一定の比になる
- グラフから完全中和点を読み取る:温度変化のグラフや蒸発残留物のグラフから完全中和点を特定する
- 過不足を計算する:完全中和点を超えた場合、余った酸やアルカリの量を求める
中和反応の計算は理科の偏差値アップ戦略でも重要なテーマとして取り上げています。繰り返し演習して計算パターンに慣れましょう。
溶解度と結晶に関する問題の解き方
溶解度は「一定量の水に溶ける物質の最大量」を表す概念で、温度によって変化します。溶解度曲線のグラフを読み取る問題が頻出するため、グラフの見方をしっかり身につけましょう。
溶解度曲線の読み取り方
溶解度曲線は横軸に温度、縦軸に100gの水に溶ける物質の量(g)を示したグラフです。このグラフから以下の情報を読み取ることが求められます。
- ある温度で水100gに溶ける最大量
- 温度を変えたときに析出する結晶の量
- 飽和水溶液の濃度
結晶の析出問題
温度が高い状態で飽和水溶液を作り、温度を下げると溶けきれなくなった物質が結晶として析出します。この析出量を求める計算問題は次の手順で解きます。
- 高温での溶解度を確認する
- 低温での溶解度を確認する
- 差を計算して析出量を求める
- 水の量が100gでない場合は比例計算する
溶解度の問題は理科の図表・グラフの読み取り方と合わせて学習すると理解が深まります。
燃焼と質量変化の問題を確実に得点する
燃焼の問題では「ものが燃える条件」と「燃焼前後の質量変化」が主要テーマです。特に金属の燃焼における質量変化の計算は、化学分野の定番問題として多くの学校で出題されています。
ものが燃える3つの条件
ものが燃えるためには以下の3つの条件がすべて揃う必要があります。
- 燃えるものがあること
- 酸素があること
- 発火点以上の温度になること
この3つの条件のうち1つでも欠けると燃焼は起こりません。消火の方法もこの3条件に基づいて理解できます。
金属の燃焼と質量変化
スチールウール(鉄)を燃やすと、鉄と酸素が結合して酸化鉄になります。このとき、結合した酸素の分だけ質量が増加します。
鉄:酸素=7:3の質量比で反応するため、7gの鉄を完全に燃焼させると10gの酸化鉄ができます。
マグネシウムの場合はマグネシウム:酸素=3:2の比で反応し、3gのマグネシウムを燃焼させると5gの酸化マグネシウムができます。
この質量比を使った計算問題は、比例計算の基本を理解していれば確実に解けます。理科の苦手克服法でも化学計算の基礎トレーニングについて詳しく解説しています。
化学分野の効率的な学習スケジュールと勉強法
化学分野を効率よく学習するためには、テーマごとの優先順位をつけて計画的に取り組むことが大切です。以下に推奨する学習スケジュールを示します。

学習の優先順位
| 優先度 | テーマ | 学習時期の目安 | 学習方法 |
|---|---|---|---|
| 最優先 | 水溶液の性質 | 5年生前半 | 表を作って暗記+問題演習 |
| 高 | 指示薬 | 5年生前半 | 色の変化を図にまとめる |
| 高 | 気体の発生 | 5年生後半 | 実験手順を書き出して整理 |
| 中 | 中和反応 | 5年生後半~6年生 | 計算ドリルを繰り返す |
| 中 | 溶解度 | 6年生前半 | グラフの読み取り演習 |
| 標準 | 燃焼 | 6年生前半 | 質量比の計算練習 |
おすすめの勉強法
1. 表やまとめノートを作る
水溶液や気体の性質は、自分で表にまとめることで記憶に定着しやすくなります。市販の参考書をそのまま読むよりも、自分の言葉でまとめ直すことが重要です。
2. 実験動画を活用する
化学の実験は実際に見ることで理解が深まります。YouTubeなどの実験動画を活用して、教科書の文字情報を映像で補完しましょう。
3. 計算問題は毎日少しずつ
中和反応や溶解度の計算問題は、一度にたくさん解くよりも毎日2~3問ずつコツコツ取り組む方が効果的です。
4. 過去問で出題パターンを把握する
志望校の過去問を分析し、化学分野からどのようなテーマが出題されているかを確認しましょう。学校によって出題の傾向が異なるため、効率的な対策ができます。
化学分野の学習は理科のおすすめ問題集・教材を参考に、自分のレベルに合った教材を選ぶことも重要です。
よくある質問(FAQ)
Q1: 水溶液の11種類をなかなか覚えられません。効果的な覚え方はありますか?
酸性・中性・アルカリ性の3グループに分けて覚えることをおすすめします。まず「酸性は4つ、中性は3つ、アルカリ性は4つ」という数を覚え、次に各グループ内の水溶液名を語呂合わせで覚えましょう。例えば酸性は「塩(塩酸)で酢(酢酸)をかけた炭酸(炭酸水)ホウ(ホウ酸水)」のように工夫すると記憶に残りやすくなります。
Q2: 中和反応の計算問題が苦手です。何から始めればよいですか?
まずは完全中和の概念をしっかり理解しましょう。「塩酸10mLと水酸化ナトリウム水溶液20mLでちょうど中和する」という基本パターンから始め、量を変えた問題に発展させていきます。最初はグラフなしの単純な比例計算から練習し、慣れたらグラフ読み取り問題に進むのが効果的です。
Q3: 化学分野と物理分野、どちらを先に勉強すべきですか?
化学分野を先に学習することをおすすめします。化学は暗記要素が多く、基本知識を覚えれば得点しやすい分野です。一方、物理分野は計算力と思考力が求められるため、化学で基礎的な計算力を身につけてから取り組むとスムーズです。
まとめ
中学受験理科の化学分野は、水溶液・気体・中和反応・溶解度・燃焼の5つのテーマを体系的に学ぶことで攻略できます。特に水溶液の11種類と指示薬の5種類は最優先で覚えるべき知識です。計算問題は中和反応と溶解度を中心に繰り返し演習し、パターンに慣れることが高得点への近道です。化学分野は努力が結果に直結しやすい分野ですので、計画的に学習を進めて得点源にしていきましょう。
参考リンク:
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