中学受験国語の記述問題の書き方と得点のコツ

中学受験の国語で最も差がつくのが記述問題です。配点が高い一方で、「何を書けばいいかわからない」「書いても点がもらえない」と悩む受験生は少なくありません。
中学受験国語の記述問題の書き方と得点のコツ|減点されない答案作成法
中学受験の国語で最も差がつくのが記述問題です。配点が高い一方で、「何を書けばいいかわからない」「書いても点がもらえない」と悩む受験生は少なくありません。
本記事では、中学受験の国語攻略法を踏まえて、記述問題で確実に得点するための書き方とテクニックを具体的に解説します。
記述問題の3つのタイプを知る
記述問題は3パターンに分類できる
中学受験の記述問題は、大きく3つのタイプに分類できます。まずはタイプを見極めることが、正しい答案を書く第一歩です。
| タイプ | 設問例 | 答え方のポイント |
|---|---|---|
| 指示語タイプ | 「『それ』とは何を指していますか」 | 指示語の前後から具体的な内容を見つける |
| 理由タイプ | 「なぜ〜ですか」「〜の理由を答えなさい」 | 原因と結果の関係を明確にする |
| 言いかえタイプ | 「〜とはどういうことですか」 | 傍線部を別の表現で説明する |
物語文と説明文で異なるアプローチ
物語文と説明文では記述の書き方が異なります。
- 物語文:登場人物の心情+その理由(「〜のため、〜という気持ち」)
- 説明文:筆者の主張を要約+具体例で補足(「〜ということ」)
記述答案の書き方の基本ルール
ルール1:文末から先に決める
記述の答えは文末から考えるのが鉄則です。設問に対応した文末を先に決めてから、内容を組み立てましょう。

| 設問のタイプ | 文末の型 |
|---|---|
| 「なぜですか」 | 「〜から」「〜ため」 |
| 「どういうことですか」 | 「〜ということ」「〜こと」 |
| 「どんな気持ちですか」 | 「〜という気持ち(心情)」 |
| 「何を指していますか」 | 名詞で終わる(体言止め) |
| 「説明しなさい」 | 「〜こと」 |
ルール2:90%以上の字数を使う
字数制限がある場合は90%以上書くことが原則です。50字以内なら最低45字、100字以内なら90字以上書くようにしましょう。字数が少なすぎると必要な要素が不足していると判断され、減点の対象になります。
ルール3:短い文で書く
長い一文にすると主語と述語がねじれやすくなります。2〜3文に分けて書き、接続詞でつなぐ方が読みやすく、減点されにくい答案になります。
ルール4:本文の言葉を活用する
答案には必ず本文中のキーワードを含めましょう。ただし、丸写しではなく、自分の言葉で言い換えることも必要です。
物語文の記述テクニック
「後半心情・前半理由」の法則
物語文の記述では、以下の構成が効果的です。

答案の構成:
```
[前半] 〜ので / 〜のため、(理由・きっかけ)
[後半] 〜という気持ち。(心情)
```
具体例:
- 設問:「太郎はなぜ涙を流したのですか」
- 答案:「長い間離れていた母親と再会できたことが嬉しく、安心したという気持ちから。」
心情語の引き出しを増やす
記述問題でよく使う心情語を覚えておくと、答案がスムーズに書けます。
| 感情カテゴリ | 心情語の例 |
|---|---|
| 喜び | 嬉しい、誇らしい、晴れやかな、心が弾む |
| 悲しみ | 悲しい、切ない、やりきれない、心が沈む |
| 怒り | 悔しい、憤る、腹立たしい、やるせない |
| 不安 | 心細い、戸惑い、おそれ、たじろぐ |
| 後悔 | 申し訳ない、反省、自責の念、忸怩たる |
| 成長 | 決意、覚悟、前向き、自信 |
説明文の記述テクニック
「要素の抜き出し+まとめ」が基本
説明文の記述では、本文中の複数の要素を抜き出して1つにまとめる力が求められます。
ステップ1:設問に関係する部分を本文から3つ見つける
ステップ2:それぞれの要点を箇条書きにする
ステップ3:箇条書きを1文にまとめる
筆者の主張を踏まえる
説明文の記述で最も重要なのは、筆者の主張を正確に捉えることです。自分の感想や意見ではなく、あくまで本文に書かれた内容に基づいて答えましょう。
| やるべきこと | やってはいけないこと |
|---|---|
| 本文の言葉を使って答える | 自分の感想を書く |
| 設問に対応した文末にする | 文末がずれる |
| 複数の要素を盛り込む | 1つの要素しか書かない |
| 具体例と抽象論を区別する | 具体例だけを書く |
記述力を鍛えるトレーニング法
ステップ式トレーニング
記述力は段階的に伸ばすことが大切です。以下の3ステップで取り組みましょう。

| ステップ | 内容 | 期間目安 |
|---|---|---|
| Step 1 | 模範解答を丁寧に書き写す(型を覚える) | 1~2ヶ月 |
| Step 2 | ポイントを箇条書き→文章にまとめる | 2~3ヶ月 |
| Step 3 | 自力で記述→添削を受ける | 3ヶ月以上 |
天声人語・コラムの要約練習
新聞のコラム(天声人語など)を100字程度に要約する練習は、記述力強化に最適です。毎日1本ずつ取り組むことで、要点を掴む力と文章をまとめる力が鍛えられます。
添削の重要性
記述問題は自己採点が非常に難しいため、第三者による添削が不可欠です。保護者の方が添削する場合は、以下のポイントをチェックしましょう。
- 設問に対応した答えになっているか
- 文末表現は適切か
- 必要な要素が含まれているか
- 主語と述語がねじれていないか
- 誤字脱字はないか
記述問題でよくある減点パターンと対策
| 減点パターン | 原因 | 対策 |
|---|---|---|
| 設問に答えていない | 問いの意図を読み違えている | 設問を2回読み、何を聞いているか確認 |
| 字数が足りない | 要素が不足している | 本文から根拠を3つ以上探す |
| 主語述語のねじれ | 長い一文で書いている | 2~3文に分けて書く |
| 感想文になっている | 本文から離れている | 必ず本文のキーワードを使う |
| 誤字脱字 | 慌てて書いている | 最後に必ず見直す時間を確保 |
記述問題の現実的な得点目標
完璧を目指さなくて良い
10点満点の記述問題であれば4~5割の得点率が現実的な目標です。記述で満点を取ることは非常に難しく、部分点を確実に積み重ねる戦略が重要です。
| 得点目標 | 戦略 |
|---|---|
| 4割(最低ライン) | 文末を正しくする + 本文のキーワードを1つ以上含める |
| 6割(目標ライン) | 必要な要素を2つ以上盛り込む + 論理的な構成 |
| 8割以上(高得点) | 要素を過不足なく盛り込み + 正確な日本語表現 |
記述問題が苦手でも、選択問題や漢字・語彙問題で確実に得点することでカバーできます。国語全体の偏差値アップを見据えたバランスの良い対策を心がけましょう。
よくある質問(FAQ)
Q. 記述問題は白紙で出しても良いですか?
A. 絶対に白紙にしないでください。部分点がもらえる可能性があります。設問に対応した文末を書き、本文のキーワードを1つでも含めれば、何らかの点数がもらえることがあります。
Q. 記述力が伸び始めるまでどのくらいかかりますか?
A. 模範解答の書き写しから始めて、週1回のペースで添削を受けた場合、約半年で答案の質に変化が見られることが多いです。
Q. 家庭で添削するコツはありますか?
A. 「ここがダメ」ではなく「ここまでは合っている、あとは○○を追加するともっと良くなる」というポジティブなフィードバックが効果的です。模範解答と比較しながら、何が足りないかを一緒に考えましょう。
Q. おすすめの記述問題集はありますか?
A. 『ふくしま式「本当の国語力」が身につく問題集』(基礎)、『記述の戦場』(中級)、『難関中学突破 国語トレーニング』(上級)が段階的におすすめです。
まとめ
中学受験の記述問題は、文末から考える、90%以上の字数を使う、短い文で書くの3つの基本ルールを守ることで確実に得点力が上がります。物語文は「後半心情・前半理由」、説明文は「要素の抜き出し+まとめ」の型を身につけ、添削を受けながら段階的にレベルアップしていきましょう。
完璧な答案を目指す必要はありません。部分点を着実に積み重ねることが、合格への確実な道です。
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