国立高校・高専の特徴と入試の攻略法

「国立高校や高専って、普通の高校とどう違うの?」「高専に入りたいけど、入試対策が分からない」——そんな悩みを抱える受験生や保護者の方は少なくありません。国立高校や高等専門学校(高専)は、独自の教育システムと入試制度を持ち、一般の公立・私立高校とは異なる進路の可能性を提供しています。
国立高校・高専の特徴と入試の攻略法
「国立高校や高専って、普通の高校とどう違うの?」「高専に入りたいけど、入試対策が分からない」——そんな悩みを抱える受験生や保護者の方は少なくありません。国立高校や高等専門学校(高専)は、独自の教育システムと入試制度を持ち、一般の公立・私立高校とは異なる進路の可能性を提供しています。
この記事では、国立高校・高専の特徴から入試制度の違い、具体的な対策法まで、合格に必要な情報を網羅的に解説します。志望校選びの判断材料として、ぜひ最後までお読みください。
国立高校と高専の基本的な違いを理解しよう
国立高校と高専は、どちらも「国立」という名前がついていますが、その教育内容や目的は大きく異なります。まずは基本的な違いを把握しましょう。

国立高校は、国立大学に附属する高等学校で、全国に約15校あります。大学の教育研究を目的として設置されており、教育実習の場としても活用されています。3年制で、卒業後は大学受験を経て進学するのが一般的です。偏差値は非常に高く、都立国立高校(くにたちこうこう)は偏差値73前後とされています。
一方、高専(高等専門学校)は、中学卒業後に入学する5年一貫の技術教育機関です。全国に国公私立合わせて58校あり、工学・技術分野を中心に専門教育を行います。卒業すると「準学士」の称号が得られ、大学3年次への編入も可能です。
| 比較項目 | 国立高校 | 高専(高等専門学校) |
|---|---|---|
| 修業年限 | 3年 | 5年(本科) |
| 設置数 | 全国約15校 | 全国58校 |
| 卒業資格 | 高卒 | 準学士 |
| 教育内容 | 普通科中心 | 工学・技術の専門教育 |
| 卒業後の進路 | 大学受験が主 | 就職または大学編入 |
| 入試時期 | 都道府県の一般入試と同時期 | 2月中旬(一般高校より早い) |
| 入試問題 | 学校独自問題 | 全国共通問題 |
高校選びにおいて、自分の将来の方向性を考えた上でどちらが適しているかを判断することが重要です。普通科の学びを深めたい場合は国立高校、早くから専門技術を身につけたい場合は高専が向いています。詳しい志望校の選び方については、高校受験の志望校の選び方完全ガイドも参考にしてください。
高専の5年一貫教育のメリットと注意点
高専の最大の特徴は、5年間の一貫教育で実践的な技術者を育成する点にあります。15歳から専門教育を受けられることは、大きなメリットとなります。

高専のメリット
就職率がほぼ100%という驚異的な数字が、高専の最大の魅力です。卒業生に対する求人倍率は約10~20倍にもなり、大手企業からも多数の求人が寄せられます。近年では就職と進学の割合がおおよそ半々となっており、就職希望者への求人倍率は20〜30倍に達する高専もあります。
さらに、卒業生の約4割が専攻科進学または大学3年次への編入を選択しています。進学希望者の進学率は97.8%と、進学においても非常に高い実績を誇ります。
また、15歳から博士号を持つ教員による専門教育を受けられる点、実験・実習・実技を重視した実践的カリキュラムも大きな強みです。大学受験というプレッシャーなく、5年間じっくりと専門分野を深められます。
高専の注意点
一方で、以下のようなデメリットも理解しておく必要があります。
- 進路変更が難しい:専門分野に特化したカリキュラムのため、途中で文系に転向したいなど、方向転換が困難です
- 留年率が比較的高い:専門科目のレベルが高く、ついていけなくなる学生も一定数います
- 一般的な「高校生活」とは異なる:体育祭や文化祭はありますが、普通科高校とは雰囲気が異なります
技術系の進路に確信がある場合は非常に有利な選択肢ですが、まだ将来の方向性が定まっていない場合は慎重に検討しましょう。高校の学科・コースの種類と自分に合った選び方も合わせて読むと、判断の助けになります。
高専入試の仕組みと特徴を徹底解説
高専の入試は一般的な高校入試とは大きく異なります。正しい理解が合格への第一歩です。

学力選抜の仕組み
高専の学力入試の最大の特徴は、全国共通の問題が出題される点です。試験日・試験時刻も全国統一で、すべての科目がマークシート方式で実施されます。記述式の問題は一切ありません。
試験科目は国語・社会・数学・理科・英語の5教科で、各科目60分・100点満点の計500点満点です。ここで重要なのが「傾斜配点」の存在です。多くの高専では数学・理科に1.5~2.0倍の係数をかけるため、理系科目の1問のミスが大きく響きます。
2025年度の学力入試は2月9日に実施され、これは普通高校の入試より早い時期です。そのため、高専と一般高校の併願が可能な点も受験戦略上のポイントです。高校受験の併願パターンの組み方と成功例で、併願戦略を詳しく確認できます。
推薦選抜の仕組み
高専への入学ルートとして「推薦選抜」も重要です。推薦入試では、面接と400~600字の作文を中心に選考が行われます。学力検査はなく、中学校での内申点・調査書と面接の総合評価で合否が決まります。
推薦を狙う場合は、中学校での成績を安定して維持することが不可欠です。内申点対策の完全ガイドを参考に、早めの対策を始めましょう。
高専の偏差値ランキングと難易度の目安
高専選びの際に気になるのが偏差値です。全国の高専の難易度は、学科やコースによっても大きく異なります。

2025年度の偏差値上位高専
2025年度の偏差値ランキングで上位に位置する高専をまとめました。
| 順位 | 高専名 | 偏差値目安 | 所在地 |
|---|---|---|---|
| 1位 | 明石高専 | 68~70 | 兵庫県 |
| 2位 | 久留米高専 | 66~68 | 福岡県 |
| 3位 | 徳山高専 | 65~67 | 山口県 |
| 4位 | 奈良高専 | 65~67 | 奈良県 |
| 5位 | 豊田高専 | 64~66 | 愛知県 |
全国の高専の偏差値は概ね50~70の範囲に分布しており、同じ高専でも学科によって5ポイント以上の差がある場合もあります。偏差値と倍率から見る志望校の賢い選び方も活用して、自分に合った学校を見つけましょう。
高専入試の実質的な難しさ
高専入試が難しいとされる理由は、偏差値だけではありません。高専専門塾の分析によると、以下の要因が受験を難しくしています。
- 問題文が長い:単純な知識問題ではなく、長文を読み解いて応用する力が求められる
- スピードと正確性の両立:マークシート方式のため、速く正確に解く必要がある
- 情報が少ない:全中学生のうち高専受験者は約1.6%と少なく、塾や学校に十分なノウハウがない場合が多い
- 傾斜配点の影響:数学・理科が苦手だと圧倒的に不利になる
高専入試の具体的な攻略法と学習スケジュール
合格を勝ち取るための具体的な対策法を、時期別にまとめました。
中3春~夏(4月~8月):基礎固めの時期
最優先事項は、中学3年生の全範囲を夏までに終了することです。特に数学と理科は傾斜配点の影響で配点が高いため、この2教科を中心に基礎を固めましょう。
- 教科書レベルの問題を完璧に解けるようにする
- 中1・中2の復習で苦手分野を洗い出す
- 高専の過去問に一度目を通し、出題傾向を把握する
中3秋(9月~11月):過去問演習の時期
ナレッジスターの推奨する対策法では、過去問を最低3周することが王道とされています。
- 過去問を時間を計って解き、本番のペースをつかむ
- 間違えた問題は解説を読み込み、類題で演習する
- マークシートの塗り方・時間配分に慣れる
- 模試を活用して実力を客観的に把握する
中3冬(12月~本番):弱点補強と仕上げ
- 苦手教科の集中対策(理数の得点率75%以上が目標)
- 国語・英語の読解速度アップへ比重を移す
- 体調管理を万全に(高専入試は2月中旬と早い)
- 面接・作文対策も推薦を狙う場合は並行して行う
効率的な学習計画については、受験生の生活習慣と健康管理ガイドも確認しておくと、コンディション管理に役立ちます。
国立高校の入試の特徴と対策
国立高校の入試は、高専とはまた異なる特徴を持っています。
国立高校入試の特徴
国立大学附属高校は独自の入試問題を出題する場合が多く、難易度は非常に高いです。都道府県の公立高校入試とは問題の傾向が異なるため、個別の対策が必要です。
主な特徴として、以下が挙げられます。
- 記述問題が多い:マークシート中心の高専とは対照的に、論述力が問われる
- 教科書以上のレベル:応用力・思考力を試す問題が中心
- 内申点の比重が学校により異なる
- 面接や実技試験を課す学校もある
国立高校の対策ポイント
- 志望校の過去問を徹底分析する(最低5年分)
- 記述力の強化:普段から文章で答えを書く習慣をつける
- ハイレベルな問題集に取り組む(難関私立向けの問題集が有効)
- 内申点を確保する:定期テスト対策を怠らない
公立高校との併願については、公立高校の選び方と学校ごとの特徴まとめも参考にしてください。
高専と国立高校、どちらを選ぶべきか
進路選択は将来を左右する重要な決断です。以下のチェックリストで、自分に合った進路を考えてみましょう。
高専が向いている人
- ものづくりや技術に強い興味がある
- 将来エンジニアや技術者として働きたい
- 早くから専門的なスキルを身につけたい
- 大学受験を避けて、編入学で大学に進みたい
- 理数系の科目が得意で好き
国立高校が向いている人
- 幅広い教養を身につけたい
- 将来の進路をまだ絞りたくない
- 大学受験に挑戦してトップ大学を目指したい
- 文系・理系の両方に興味がある
- 部活動や学校行事を充実させたい
どちらにせよ、学校説明会やオープンキャンパスへの参加は必須です。実際の雰囲気を体験することで、自分との相性が見えてきます。高校受験の学校説明会で見るべきポイントを事前に確認しておくと、効率的に情報収集できます。
まとめ:国立高校・高専の入試対策は早期スタートがカギ
国立高校と高専は、どちらも一般の公立・私立高校とは異なる独自の教育システムと入試制度を持っています。
高専のポイント
- 5年一貫の専門教育で就職率ほぼ100%
- 全国共通のマークシート方式、傾斜配点に注意
- 夏までに全範囲終了→秋に過去問3周→冬に弱点補強が王道
国立高校のポイント
- 高い学力レベルと独自入試問題
- 記述力・応用力が求められる
- 過去問分析と記述練習が必須
いずれの場合も、中学3年生の春から計画的に準備を始めることが合格への近道です。自分の将来像を明確にし、それに合った学校を選ぶことが、後悔しない進路選びにつながります。
志望校選び全体の戦略については、高校受験の志望校選びと受験戦略ガイドもぜひご覧ください。また、入試制度の地域差については都道府県別の高校入試制度の違いと特徴で詳しく解説しています。
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