高校受験の志望校の選び方完全ガイド

高校受験で最も重要な決断のひとつが「志望校選び」です。3年間を過ごす高校は、その後の大学受験や将来のキャリアにも大きく影響します。偏差値だけで決めてしまい後悔するケースは少なくありません。この記事では、高校受験の基礎知識を踏まえたうえで、志望校を選ぶときに押さえておくべき8つのポイントと、やってはいけない選び方について詳しく解説します。
高校受験の志望校の選び方完全ガイド|後悔しない8つのポイント
高校受験で最も重要な決断のひとつが「志望校選び」です。3年間を過ごす高校は、その後の大学受験や将来のキャリアにも大きく影響します。偏差値だけで決めてしまい後悔するケースは少なくありません。この記事では、高校受験の基礎知識を踏まえたうえで、志望校を選ぶときに押さえておくべき8つのポイントと、やってはいけない選び方について詳しく解説します。
志望校選びで最も大切な考え方
志望校を選ぶうえで最も大切なことは、「自分が3年間楽しく通える学校かどうか」を基準にすることです。偏差値が高い学校に合格できたとしても、校風が合わなければ高校生活が苦痛になり、学力も伸び悩む可能性があります。

志望校選びは、以下のような複数の視点から総合的に判断する必要があります。
| 判断基準 | 確認すべき内容 | 優先度 |
|---|---|---|
| 学力レベル | 偏差値・内申点との比較 | ★★★★★ |
| 校風・雰囲気 | 学校説明会・文化祭での印象 | ★★★★★ |
| 通学時間 | 自宅から片道の所要時間 | ★★★★☆ |
| 進学実績 | 大学合格者数・合格率 | ★★★★☆ |
| 部活動 | やりたい部活があるか | ★★★☆☆ |
| 学費 | 入学金・授業料・諸費用 | ★★★☆☆ |
| 設備・環境 | 校舎・図書館・グラウンドなど | ★★★☆☆ |
| カリキュラム | 学科・コースの内容 | ★★★☆☆ |
それでは、各ポイントについて具体的に見ていきましょう。
ポイント1:偏差値と内申点で自分の実力を正確に把握する
志望校選びの第一歩は、自分の現在の学力を客観的に知ることです。模擬試験の偏差値と内申点の両方を確認しましょう。

偏差値の活用方法:
- 模試の偏差値は受験時期によって変動するため、1回の結果だけで判断しない
- 中3の夏以降の模試結果が最も信頼性が高い
- 志望校の偏差値より自分の偏差値が「±3」の範囲なら十分に合格可能性がある
内申点について:
内申点の対象期間は基本的に中学1年から中学3年の2学期までです。ただし、都道府県や高校によって異なり、中3の成績の比重が最も重くなる傾向にあります。内申点対策は中学1年の段階から意識しておくことが大切です。
模試の結果は受けるタイミングで大きく変化するため、一度の模試で志望校を諦める必要はありません。受験勉強を本格的に始めた後で偏差値が5〜10ポイント上がることも珍しくないのです(参考)。
ポイント2:校風と学校の雰囲気を実際に確かめる
校風は志望校選びにおいて偏差値と同等に重要な要素です。偏差値が同じでも、学校によって雰囲気はまったく異なります。
校風を確認する方法:
- 学校説明会に参加する:学校の教育方針や力を入れている取り組みについて直接聞ける
- 文化祭・体育祭を見学する:生徒の雰囲気や活気を実際に感じられる
- オープンスクールに参加する:授業や施設を体験できる最も良い機会
校風には「自由な校風」と「規律を重んじる校風」があり、どちらが良い悪いではなく、自分の性格に合っているかどうかが重要です。
自主性が高く、自分で考えて行動するのが好きな生徒には自由な校風の学校が向いています。一方、ルールや枠組みがある方が安心して取り組める生徒には、規律のしっかりした学校が向いているでしょう(参考)。
ポイント3:通学時間と立地条件を現実的に考える
3年間毎日通う学校だからこそ、通学時間は慎重に検討すべき重要な要素です。通学時間が長すぎると、勉強時間の確保が難しくなるだけでなく、体力的にも精神的にも負担が大きくなります。
通学時間の目安:
- 理想的:片道30分〜45分
- 許容範囲:片道1時間以内
- 要検討:片道1時間以上
通学時間が片道1時間を超える場合は、毎日往復2時間以上を移動に費やすことになります。部活動をしている場合は帰宅がさらに遅くなり、自宅での学習時間が大幅に減少します。
また、通学路の安全性や交通手段も確認しておきましょう。電車の乗り換え回数や、最寄り駅からのバスの本数なども重要なチェックポイントです(参考)。
ポイント4:進学実績を正しく読み解く
大学進学を考えている場合、高校の進学実績の見方は志望校選びの重要な判断材料となります。ただし、進学実績の数字をそのまま鵜呑みにするのは危険です。
進学実績を見るときのポイント:
- 合格者数ではなく合格率で比較する(生徒数が多い学校は合格者数も多くなる)
- 現役合格率と浪人を含めた合格率を区別する
- 指定校推薦枠の有無と数を確認する
- 自分が志望する大学のレベルと合格実績が一致しているか確認する
特に国公立大学や難関私立大学を目指している場合は、志望大学への合格者を安定的に輩出しているかどうかが重要です。過去3年分程度のデータを確認すると、より正確な実力が見えてきます(参考)。
ポイント5:学科・コースの種類と特徴を理解する
高校には普通科だけでなく、理数科・国際科・英語科など多様な学科やコースが用意されています。自分の興味や将来の進路に合った学科を選ぶことが重要です。

主な学科の種類:
| 学科 | 特徴 | 向いている人 |
|---|---|---|
| 普通科 | 幅広い教科をバランスよく学ぶ | 大学進学を目指す人全般 |
| 理数科 | 数学・理科を重点的に学ぶ | 理系大学や研究職を目指す人 |
| 国際科・英語科 | 英語・国際理解に重点 | 留学や国際系の進路を目指す人 |
| 工業・商業科 | 専門技術を学ぶ | 就職や専門学校進学を考える人 |
| 総合学科 | 自分で科目を選択 | 幅広い分野から選びたい人 |
また、同じ普通科でも「特進コース」と「一般コース」で授業内容や進路指導の方針が異なる場合があります。入学後のコース変更が可能かどうかも事前に確認しておきましょう。
ポイント6:部活動と学校行事の充実度を確認する
高校生活は勉強だけではありません。部活動や学校行事が充実しているかどうかは、3年間を有意義に過ごすうえで大切なポイントです。
確認すべき内容:
- やりたい部活動があるかどうか
- 部活動の練習頻度や活動時間
- 大会での成績や実績
- 文化祭・体育祭・修学旅行の内容
特に部活動をメインに高校を選びたい場合は、その部活の活動日数や指導者の有無を学校説明会で確認しましょう。逆に、勉強を最優先にしたい場合は、部活動の強制参加がない学校を選ぶのもひとつの方法です。
ポイント7:学費と経済的な負担を把握する
公立高校と私立高校では、学費に大きな差があります。私立高校を志望する場合は、3年間の総費用を事前に把握しておくことが重要です。
公立と私立の学費比較(年間の目安):
| 費用項目 | 公立高校 | 私立高校 |
|---|---|---|
| 授業料 | 約12万円 | 約40〜70万円 |
| 入学金 | 約5,000〜10,000円 | 約20〜30万円 |
| 施設費 | なし〜数万円 | 約10〜20万円 |
| 教材費 | 約3〜5万円 | 約5〜10万円 |
ただし、国の「高等学校等就学支援金制度」や各都道府県の独自の補助制度を利用すれば、私立高校でも実質的な負担を軽減できます。特待生制度がある学校もあるため、経済面だけで私立を諦める必要はありません(参考)。
ポイント8:併願校の組み合わせを戦略的に考える
志望校が決まったら、併願校のパターンも計画的に考えましょう。第一志望校だけでなく、安全校と挑戦校をバランスよく組み合わせることが大切です。
併願パターンの基本:
- 挑戦校(チャレンジ校):自分の偏差値より3〜5ポイント上の学校
- 実力相応校:自分の偏差値に近い学校
- 安全校(すべり止め):自分の偏差値より5ポイント以上下の学校
都道府県によって入試制度が異なるため、公立と私立の併願ルールを事前に確認しておくことが重要です。特に公立高校の推薦入試を受ける場合は、専願(その学校しか受けない)が条件になるケースもあります。
やってはいけない志望校の選び方5選
志望校選びで失敗しないために、以下のような選び方は避けましょう。

1. 偏差値だけで決める
偏差値は学力の目安にすぎません。偏差値が高い学校=自分に合った学校とは限らないため、校風や雰囲気を含めた総合的な判断が必要です。
2. 友達と同じ学校を選ぶ
仲の良い友達と一緒に通いたい気持ちはわかりますが、将来の進路や目標が異なるなら、自分の進路を優先すべきです。
3. 親の希望だけで決める
親御さんの意見も大切ですが、実際に3年間通うのは自分自身です。家族でしっかり話し合い、最終的には自分の意志で決めましょう。
4. 名前やイメージだけで決める
「有名だから」「制服がかわいいから」だけで選ぶと、入学後にギャップを感じることがあります。必ず学校見学をして実態を確認しましょう。
5. 1つの学校しか見ない
最低でも3〜5校は見学し、比較検討することで自分に本当に合った学校が見えてきます(参考)。
志望校決定までのスケジュール
志望校選びは計画的に進めることが大切です。以下のスケジュールを参考にしてください。
| 時期 | やるべきこと |
|---|---|
| 中2の冬〜中3の春 | 自分の学力を把握し、候補となる高校をリストアップ |
| 中3の5月〜7月 | 学校説明会への参加開始 |
| 中3の7月〜8月 | オープンスクール・文化祭の見学。第一志望校の仮決定 |
| 中3の9月〜11月 | 模試結果を踏まえて志望校を絞り込む |
| 中3の12月 | 私立高校の志望校を最終決定 |
| 中3の1月 | 公立高校の志望校を最終決定 |
志望校の最終決定は遅くとも中3の12月〜1月です。私立の推薦入試は1月中旬、公立の推薦入試は1月末から願書受付が始まるため、それまでに決定しておく必要があります(参考)。
出願から合格発表までの詳しいスケジュールも別記事で解説しています。
志望校選びに役立つ情報収集の方法
効果的な情報収集には、複数の情報源を活用することが重要です。
- 学校のホームページ:教育方針、カリキュラム、進学実績などの基本情報
- 学校説明会・オープンスクール:実際の雰囲気を体感できる最も信頼性の高い方法
- 在校生・卒業生の口コミ:生の声から学校の実態を知れる
- 塾や予備校の情報:塾の先生は地域の高校事情に詳しい
- 進研ゼミなどの受験情報サイト:偏差値帯から志望校を絞り込める
特に学校説明会やオープンスクールは中3の夏に集中して開催されるため、早めにスケジュールを確認し、参加の予約をしておきましょう(参考)。
まとめ:自分の目で見て、自分で選ぶことが最も大切
高校受験の志望校選びは、偏差値・校風・通学時間・進学実績・部活動・学費・学科・併願戦略の8つのポイントを総合的に検討することが大切です。
最も重要なのは、実際に学校に足を運び、自分の目で確かめることです。パンフレットやネットの情報だけでは見えない部分がたくさんあります。複数の学校を比較し、家族と話し合いながら、自分が「ここで3年間頑張りたい」と思える学校を見つけてください。
志望校が決まれば、偏差値と倍率を踏まえた受験戦略を立て、合格に向けた効率的な勉強を始めましょう。高校受験は人生の大きな通過点です。後悔のない選択をするために、この記事で紹介したポイントをぜひ活用してください。
この記事について:当サイトの記事は、教育分野に精通した編集チームが、信頼できる情報源に基づいて作成・レビューしています。記事の内容は定期的に見直し、最新の情報に更新しています。詳しくは編集ポリシーをご覧ください。誤りや改善点がございましたら、お問い合わせからご連絡ください。
関連記事

高校受験の出願から合格発表までの完全スケジュール
高校受験は、お子さんの人生における大きな転機です。出願から合格発表、そして入学手続きまでの流れを事前に把握しておくことで、余裕を持った受験準備が可能になります。この記事では、公立・私立それぞれの高校受験スケジュールを時系列で詳しく解説し、各段階での注意点やチェックポイントをまとめました。初めての高校受験でも安心して臨めるよう、高校受験の基本的な仕組みと合わせてご活用ください。
続きを読む →
偏差値と倍率から見る志望校の賢い選び方
高校受験の志望校選びにおいて、偏差値と倍率は最も重要な判断材料です。しかし、この2つの数値を正しく理解せずに志望校を決めてしまうと、実力に見合わない学校を選んでしまったり、本来合格できるはずの学校を諦めてしまったりする可能性があります。この記事では、偏差値と倍率の正しい見方から、それらを組み合わせた賢い志望校の選び方まで、具体的なデータと実例を交えて徹底解説します。
続きを読む →
都道府県別の高校入試制度の違いと特徴
高校入試の制度は全国統一ではなく、都道府県ごとに大きく異なります。内申点の計算方法、学力検査と内申点の比率、受験機会の種類まで、お住まいの地域によって対策すべきポイントが変わってきます。この記事では、主要な都道府県の入試制度の違いを比較しながら、それぞれの特徴と対策のポイントを詳しく解説します。
続きを読む →
高校受験の特待生制度と入試優遇の活用法
高校受験において、特待生制度や入試優遇制度は、学費の負担を軽減しながら質の高い教育を受けられるチャンスです。特に私立高校では多くの学校が特待生制度を設けており、成績優秀な生徒に入学金や授業料の免除・減額を行っています。しかし、制度の内容は学校によって大きく異なり、メリットだけでなくデメリットや注意点もあります。この記事では、特待生制度の種類や条件、活用法から注意すべきポイントまで、志望校選びに役立
続きを読む →
国立高校・高専の特徴と入試の攻略法
「国立高校や高専って、普通の高校とどう違うの?」「高専に入りたいけど、入試対策が分からない」——そんな悩みを抱える受験生や保護者の方は少なくありません。国立高校や高等専門学校(高専)は、独自の教育システムと入試制度を持ち、一般の公立・私立高校とは異なる進路の可能性を提供しています。
続きを読む →
定時制・通信制高校の特徴と選ぶメリット
「全日制高校以外にも選択肢があるの?」「定時制と通信制、どちらが自分に合っている?」そんな疑問を持つ受験生や保護者の方は少なくありません。高校には全日制だけでなく、定時制と通信制という選択肢があり、それぞれ異なる特徴とメリットを持っています。
続きを読む →