定時制・通信制高校の特徴と選ぶメリット

「全日制高校以外にも選択肢があるの?」「定時制と通信制、どちらが自分に合っている?」そんな疑問を持つ受験生や保護者の方は少なくありません。高校には全日制だけでなく、定時制と通信制という選択肢があり、それぞれ異なる特徴とメリットを持っています。
定時制・通信制高校の特徴と選ぶメリット|全日制との違いを徹底比較
「全日制高校以外にも選択肢があるの?」「定時制と通信制、どちらが自分に合っている?」そんな疑問を持つ受験生や保護者の方は少なくありません。高校には全日制だけでなく、定時制と通信制という選択肢があり、それぞれ異なる特徴とメリットを持っています。
近年、通信制高校の生徒数は急増しており、2024年度には約29万人が在籍するまでに成長しました。高校生の約11人に1人が通信制高校で学んでいる時代です。定時制高校も、働きながら学びたい生徒や多様な背景を持つ生徒の受け皿として重要な役割を果たしています。
この記事では、定時制高校と通信制高校の特徴・メリット・デメリットを詳しく解説し、高校受験の志望校選びに役立つ情報をお届けします。
定時制高校とは?基本的な仕組みと特徴
定時制高校は、主に夕方から夜間にかけて授業を行う高校課程です。かつては「夜間学校」というイメージが強かったものの、現在では授業時間帯によって3つのタイプに分かれています。
定時制高校の3つのタイプ
- 夜間定時制:17時頃から21時頃まで授業を行う最も一般的なタイプ
- 昼間二部定時制:午前の部と午後の部に分かれて授業を行うタイプ
- 三部定時制:午前・午後・夜間の3部制で、自分の都合に合わせて選べるタイプ
定時制高校の授業は1日4時限(1時限45〜50分)が基本で、全日制高校と比べて1日の授業時間が短いのが特徴です。修業年限は原則4年間ですが、追加で授業を受けることで3年間での卒業も可能です。
定時制高校では教師から直接指導を受けられるため、学習面でのサポートを受けやすい環境が整っています。毎日の登校が必要なため、規則正しい生活リズムも維持しやすいでしょう。
通信制高校とは?学び方の自由度が高い新しい選択肢
通信制高校は、自宅学習を中心に高校卒業資格を取得できる課程です。レポート(添削課題)の提出、スクーリング(面接指導)への参加、単位認定試験の合格という3つの要素で単位を修得していきます。

通信制高校の生徒数は年々増加しており、2015年の約18万人から2024年には約29万人へと約1.6倍に増加しました。学校数も初めて300校を超え、公立79校・私立224校の合計303校となっています。
通信制高校の学習スタイル
通信制高校では「単位制」を採用しており、全日制や定時制の「学年制」とは異なります。留年という概念がなく、必要な単位を修得すれば卒業できるシステムです。スクーリングの頻度は学校によって大きく異なり、週3〜5回の通学型から年に数日のみの集中スクーリング型まで多様な選択肢があります。
近年はオンライン学習を取り入れた学校も増えており、ICT教材を活用した学習が広がっています。動画授業やオンラインでのレポート提出など、テクノロジーを活用した学びが可能です。
定時制・通信制・全日制の違いを徹底比較
志望校を選ぶ際には、それぞれの高校課程の違いをしっかり理解しておくことが大切です。以下の比較表で主な違いを確認しましょう。
| 比較項目 | 全日制高校 | 定時制高校 | 通信制高校 |
|---|---|---|---|
| 授業時間 | 朝〜夕方(6時限) | 夕方〜夜間(4時限) | 自宅学習中心 |
| 通学頻度 | 週5日 | 週5日 | 年数日〜週5日(学校による) |
| 修業年限 | 3年 | 4年(3年も可) | 3年〜(上限なし) |
| 学費(初年度) | 公立:約12万円 | 公立:約3万円 | 公立:約5万円、私立:25万円〜 |
| 学習制度 | 学年制 | 学年制 | 単位制 |
| 留年 | あり | あり | なし |
| 卒業率 | 高い | やや低い | 私立90%超(公立は低め) |
| 進学サポート | 充実 | やや薄い | 学校による差が大きい |
この比較から分かるように、それぞれの課程には異なる強みがあります。志望校の選び方を考える際は、自分の生活スタイルや目標に合った課程を選ぶことが重要です。
定時制高校を選ぶメリットと向いている人
定時制高校には、全日制や通信制にはない独自のメリットがあります。

定時制高校の主なメリット
1. 仕事やプライベートと両立しやすい
1日の授業時間が短いため、日中は仕事やアルバイトに充てることができます。学費や生活費を自分で稼ぎながら学べる環境は、経済的な事情を抱える生徒にとって大きなメリットです。
2. 対面授業で学習サポートが受けられる
通信制高校と違い、毎日教師から直接授業を受けられます。分からないことをその場で質問できるため、自主学習が苦手な方でも学習を進めやすいでしょう。
3. 多様な背景を持つ仲間と交流できる
定時制高校には、社会人、不登校経験者、外国籍の方など、さまざまな背景を持つ生徒が集まります。年齢や経験の異なる仲間との交流は、視野を広げる貴重な機会になります。
4. 就職率が比較的高い
定時制高校では在学中からアルバイトや就職をしている生徒が多く、卒業後の就職に有利な場合があります。実社会での経験を積みながら学べることは大きな強みです。
定時制高校が向いている人
- 勉強は苦手だが、毎日通学して学ぶ環境がほしい人
- 働きながら高校卒業資格を取得したい人
- 対面でのサポートを受けながら学びたい人
- 学校での人間関係を大切にしたい人
通信制高校を選ぶメリットと向いている人
通信制高校は、柔軟な学び方ができることが最大の魅力です。

通信制高校の主なメリット
1. 自分のペースで学習できる
時間割に縛られず、自分のペースで学習を進められます。朝が苦手な人、体調に波がある人でも、自分のコンディションに合わせて勉強できます。
2. 学費が比較的安い
通信制高校の学費は、公立なら年間約5万円と非常にリーズナブルです。私立でも25万円程度からと、全日制の私立高校と比べて経済的な負担が少なくなっています。就学支援金制度を利用すれば、さらに負担を軽減できます。
3. 留年がない安心感
単位制のため留年の概念がなく、単位が取れるまで何度でもチャレンジできます。自分のペースで確実に卒業を目指せるため、精神的な負担が少ないのも魅力です。
4. 専門分野や課外活動に集中できる
通学時間が最小限で済むため、スポーツ、芸能活動、プログラミングなど、自分の興味がある分野に多くの時間を充てられます。N高等学校のように、通常の教科に加えてプログラミングやクリエイティブ分野のカリキュラムを提供する学校も増えています。
5. 多様なサポート体制
私立の通信制高校では、不登校支援、発達障害への配慮、進学指導など、手厚いサポートを提供する学校が増えています。サポート校と連携して学習面・生活面を支援する体制も整っています。
通信制高校が向いている人
- 不登校を経験し、毎日の通学が難しい人
- スポーツや芸能活動など、学業以外の活動に専念したい人
- 自分のペースで学びたい人
- 体調面で毎日の通学が困難な人
- 経済的に学費を抑えたい人
定時制・通信制高校のデメリットと対策
メリットだけでなく、デメリットも理解した上で選択することが大切です。
定時制高校のデメリットと対策
| デメリット | 対策 |
|---|---|
| 卒業まで原則4年かかる | 追加授業を受けて3年卒業を目指す |
| 進学サポートが薄い傾向 | 塾や予備校を併用して大学受験対策を行う |
| 中途退学率が比較的高い | 担任や相談員に早めに相談し、学習計画を立てる |
| 大学進学を目指す場合の学力不足 | 自習時間を活用して受験対策の自学自習を行う |
通信制高校のデメリットと対策
| デメリット | 対策 |
|---|---|
| 自己管理能力が必要 | サポート校や学習管理アプリを活用する |
| 友達ができにくい | スクーリングや部活動、オンラインコミュニティに積極的に参加する |
| 学校によるサポート差が大きい | 入学前に学校見学や説明会で確認する |
| 大学進学率がやや低い | 進学コースのある学校を選ぶか、予備校を併用する |
定時制・通信制高校の選び方ガイド
高校の選び方で迷っている方のために、定時制と通信制を選ぶ際のチェックポイントを紹介します。

自分に合った高校を選ぶ5つのチェックポイント
1. 通学頻度の希望を確認する
毎日通学したいなら定時制、通学を最小限にしたいなら通信制が適しています。通学時間や立地も考慮しましょう。
2. 学習スタイルを見極める
自分で計画を立てて学習できるタイプなら通信制、教師の指導のもとで学びたいタイプなら定時制が向いています。
3. 卒業後の進路を考える
大学進学を目指す場合は、進学実績や受験サポートの充実度を確認しましょう。就職を考えているなら、就職支援やインターンシップの有無もチェックポイントです。
4. 経済面を検討する
学費だけでなく、サポート校の費用、教材費、通学費用なども含めた総コストを比較しましょう。受験にかかる費用全体を把握することが大切です。
5. 学校の雰囲気を実際に確認する
学校説明会やオープンキャンパスに参加し、実際の雰囲気を確認しましょう。在校生や卒業生の声を聞くことも、学校選びの重要な判断材料になります。
定時制・通信制高校からの大学進学
「定時制や通信制から大学に進学できるの?」という不安を持つ方もいますが、結論から言えば十分に可能です。
大学進学のためのポイント
- 総合型選抜(AO入試)の活用:通信制・定時制での独自の経験を活かせる入試方式です
- 学校推薦型選抜:指定校推薦を持つ通信制高校も増えています
- 一般選抜対策:塾や予備校を併用して学力を補強することが重要です
- 高卒認定試験の併用:通信制在学中に高卒認定試験を受け、早期に大学受験資格を取得する方法もあります
近年は通信制高校からの大学進学実績も向上しており、国公立大学や難関私立大学への合格者も出ています。自分の目標に合わせた学習計画を立て、必要なサポートを活用することが大切です。
まとめ:自分に合った高校選びが成功の鍵
定時制高校と通信制高校は、それぞれ異なる特徴とメリットを持つ教育課程です。どちらが「良い・悪い」ではなく、自分のライフスタイル、目標、性格に合った選択をすることが最も重要です。
定時制高校がおすすめな場合:毎日の通学と対面授業を希望し、仕事と学業を両立したい方
通信制高校がおすすめな場合:自分のペースで学びたい方、通学が難しい事情がある方、学業以外の活動に集中したい方
いずれの場合も、学校説明会やオープンキャンパスに積極的に参加し、自分の目で学校の雰囲気を確認することをおすすめします。高校受験の志望校選びは人生の大きな分岐点です。焦らず、じっくりと自分に合った学校を探しましょう。
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