中学受験国語の詩・短歌・俳句の対策と鑑賞法

中学受験の国語で詩・短歌・俳句は他の受験生と差がつく穴場分野です。塾で扱う時間が少ないため対策が不十分な受験生が多い一方、難関校を中心に出題が増加傾向にあります。
中学受験国語の詩・短歌・俳句の対策と鑑賞法|表現技法と季語を完全攻略
中学受験の国語で詩・短歌・俳句は他の受験生と差がつく穴場分野です。塾で扱う時間が少ないため対策が不十分な受験生が多い一方、難関校を中心に出題が増加傾向にあります。
本記事では、中学受験の国語攻略法の中でも特に詩・短歌・俳句の対策と鑑賞法について、表現技法と季語を中心に詳しく解説します。
中学受験での詩・短歌・俳句の出題傾向
出題が増えている理由
近年、思考力・表現力を重視する入試改革の流れから、詩や韻文の読解が重視されるようになっています。特に灘中学校は毎年俳句の出題があることで有名です。

| 出題形式 | 具体例 | 出題校例 |
|---|---|---|
| 季語の特定 | 俳句から季語を抜き出し季節を答える | 大妻中学 |
| 季節の判別 | 複数の俳句を季節順に並べる | 慶應中等部 |
| 表現技法の判別 | 使われている技法を選択肢から選ぶ | 多数の学校 |
| 心情の読み取り | 詩に込められた作者の気持ちを説明 | 難関校全般 |
| 鑑賞文の記述 | 短歌・俳句の味わいを記述する | 上位校 |
配点は小さいが確実な得点源
詩・短歌・俳句の配点は全体の5〜10%程度ですが、知識問題として出題されることが多く、対策すれば確実に得点できる分野です。
詩の基礎知識と分類
詩の3つの分類
| 分類基準 | 種類 | 特徴 |
|---|---|---|
| 内容による分類 | 叙情詩 | 作者の感情や心情を表現 |
| 叙景詩 | 風景や自然の様子を描写 | |
| 叙事詩 | 出来事やストーリーを語る | |
| 形式による分類 | 定型詩 | 決まった音数やリズムがある |
| 自由詩 | 形式にとらわれない | |
| 散文詩 | 散文のような形で書かれた詩 | |
| 言葉による分類 | 口語詩 | 現代の話し言葉で書かれた詩 |
| 文語詩 | 古い言葉遣いで書かれた詩 |
詩の鑑賞で注目すべきポイント
詩を読むときは「どんな言葉が使われているか」「どんな気持ちが込められているか」に注目することが大切です。
表現技法6種を完全マスター
中学受験で必須の6つの表現技法
詩の表現技法は6種類を確実に覚えましょう。

| 表現技法 | 定義 | 効果 | 例 |
|---|---|---|---|
| 直喩(ちょくゆ) | 「〜のような」「〜みたいな」でたとえる | イメージを具体的にする | 「雪のように白い肌」 |
| 隠喩(いんゆ) | たとえの言葉を使わずにたとえる | 印象を強める | 「彼女は太陽だ」 |
| 擬人法 | 人間でないものを人間のように表現 | 親しみや生き生きとした印象 | 「風がささやく」 |
| 反復法 | 同じ言葉や表現を繰り返す | リズムと強調の効果 | 「走れ走れ走れ」 |
| 対句法 | 似た構造の文を対にする | 対比の効果・リズム感 | 「山は高く、谷は深い」 |
| 体言止め | 文の最後を名詞で終える | 余韻を持たせる・強調 | 「あの日の夕焼け。」 |
倒置法も押さえておこう
通常の語順を入れ替える倒置法(例:「美しい、この花は」)も頻出です。強調と印象づけの効果があります。
表現技法の見つけ方
表現技法を見つけるコツは、「普通の文とどこが違うか」を考えることです。
- 「〜のような」「〜みたいな」があれば → 直喩
- 人間でないものが人間の行動をしていれば → 擬人法
- 同じ言葉が繰り返されていれば → 反復法
- 文が名詞で終わっていれば → 体言止め
俳句の基礎と季語の攻略
俳句の基本ルール
俳句は五・七・五の17音で構成される世界最短の詩です。

| 要素 | 内容 | ポイント |
|---|---|---|
| 音数 | 五・七・五(17音) | 字余り・字足らずもある |
| 季語 | 季節を表す言葉 | 必ず1つ含む |
| 切れ字 | 「や」「かな」「けり」 | 感動や余韻を表す |
季語の分類と覚え方
季語は旧暦に基づいているため、現在の感覚とずれることに注意しましょう。
| 季節 | 旧暦の月 | 新暦の目安 | 代表的な季語 |
|---|---|---|---|
| 春 | 1〜3月 | 2〜4月頃 | 桜、菜の花、蛙、雛祭り、春風 |
| 夏 | 4〜6月 | 5〜7月頃 | 蝉、向日葵、夕立、花火、すいか |
| 秋 | 7〜9月 | 8〜10月頃 | 月、紅葉、柿、虫の声、秋風 |
| 冬 | 10〜12月 | 11〜1月頃 | 雪、霜、枯れ野、こたつ、年の暮れ |
間違えやすい季語
| 季語 | 正しい季節 | 間違えやすい理由 |
|---|---|---|
| 朝顔 | 秋 | 夏のイメージがあるが旧暦では秋 |
| 七夕 | 秋 | 7月のイベントだが旧暦では秋 |
| 五月雨 | 夏 | 5月は春のイメージだが梅雨時期 |
| 小春日和 | 冬 | 「春」の字があるが初冬の穏やかな天気 |
短歌の基礎と鑑賞法
短歌の基本構造
短歌は五・七・五・七・七の31音で構成されます。
| 部分 | 音数 | 役割 |
|---|---|---|
| 上の句 | 五・七・五 | 情景や状況を描写 |
| 下の句 | 七・七 | 心情や感想を表現 |
句切れの見分け方
句切れは短歌の出題で頻出です。
- 初句切れ:最初の五音の後に意味の切れ目
- 二句切れ:七音の後に切れ目
- 三句切れ:上の句の五音の後に切れ目
- 句切れなし:全体が一つの流れ
覚えておくべき有名な短歌・俳句
| 作者 | 作品 | 季節 |
|---|---|---|
| 松尾芭蕉 | 古池や蛙飛び込む水の音 | 春 |
| 松尾芭蕉 | 閑さや岩にしみ入る蝉の声 | 夏 |
| 小林一茶 | やせ蛙負けるな一茶これにあり | 夏 |
| 与謝蕪村 | 菜の花や月は東に日は西に | 春 |
| 正岡子規 | 柿くへば鐘が鳴るなり法隆寺 | 秋 |
詩・短歌・俳句の問題の解き方
設問タイプ別攻略法
| 設問タイプ | 解き方のコツ |
|---|---|
| 季語を答える | 自然や行事に関する言葉を探す |
| 季節を答える | 季語から旧暦の季節を判断する |
| 表現技法を答える | 6つの技法のどれに当てはまるか確認 |
| 心情を答える | 使われている言葉の印象(プラス/マイナス)を判断 |
| 鑑賞文を書く | 技法の効果+作者の心情をセットで説明 |
鑑賞文の書き方テンプレート
記述問題で鑑賞文を求められた場合は、以下のテンプレートを活用しましょう。
```
この[詩/短歌/俳句]では、[表現技法]が使われており、
[具体的な効果]を生み出している。
作者は[情景/状況]を通して、[心情/メッセージ]を
表現していると考えられる。
```
効果的な学習法とおすすめ教材
学習のステップ
おすすめ教材
| 教材 | レベル | 特徴 |
|---|---|---|
| 『でる順 詩・短歌・俳句』 | 基礎 | 出題頻度順で効率的 |
| 『ちびまる子ちゃんの俳句教室』 | 基礎 | マンガで楽しく学べる |
| 『入試に出る俳句・短歌100選』 | 標準 | 入試頻出作品を網羅 |
よくある質問(FAQ)
Q. 詩・短歌・俳句は暗記すべきですか?
A. 有名な作品20〜30首は暗記しておくと有利です。特に灘中など難関校を受験する場合は必須です。日々1首ずつ覚えれば負担なく進められます。
Q. 季語と季節の対応が覚えられません。
A. 「春→植物の芽生え」「夏→暑さと虫」「秋→実りと月」「冬→寒さと雪」というイメージで大まかに分類し、例外を個別に覚えましょう。
Q. 表現技法の問題で間違えやすいのはどれですか?
A. 直喩と隠喩の区別が最も間違えやすいです。「〜のような」「〜みたいな」があれば直喩、なければ隠喩と覚えましょう。語彙力を強化することも大切です。
Q. 詩の鑑賞文はどう書けばいいですか?
A. 「表現技法+その効果+作者の心情」の3要素を盛り込みましょう。記述問題の基本と同じフレームワークが使えます。
まとめ
詩・短歌・俳句は表現技法6種の理解、季語と季節の対応暗記、有名作品の暗唱の3つを押さえれば、確実な得点源になります。塾で扱う時間が少ない分、自主学習で対策した受験生は大きなアドバンテージを得られます。
国語全体の攻略と合わせて、この分野もしっかり対策しておきましょう。
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