中学受験理科の計算問題の解き方とパターン

中学受験の理科で最も差がつくのが計算問題です。知識問題は暗記で対応できますが、計算問題は原理の理解と計算力の両方が求められます。理科の計算問題は全49単元にわたって出題されますが、実は解き方のパターンは限られています。基本パターンをマスターすれば、どの単元の計算問題にも対応できるようになります。本記事では、中学受験理科の計算問題の主要パターンと効率的な解き方を徹底解説します。
中学受験理科の計算問題の解き方とパターン|頻出49単元を完全攻略
中学受験の理科で最も差がつくのが計算問題です。知識問題は暗記で対応できますが、計算問題は原理の理解と計算力の両方が求められます。理科の計算問題は全49単元にわたって出題されますが、実は解き方のパターンは限られています。基本パターンをマスターすれば、どの単元の計算問題にも対応できるようになります。本記事では、中学受験理科の計算問題の主要パターンと効率的な解き方を徹底解説します。
理科の計算問題の5大パターンを理解する
理科の計算問題は一見バラバラに見えますが、実は5つの基本パターンに分類できます。このパターンを理解することが、計算問題攻略の最短ルートです。

| パターン | 内容 | 出題例 | 使う計算 |
|---|---|---|---|
| 比例パターン | AとBが比例関係にある | ばねの伸び、溶解度 | 比例式・掛け算 |
| 割合パターン | 全体に対する部分の割合 | 濃度、密度 | 割り算・百分率 |
| つり合いパターン | 力や量のつり合い | てこ、中和反応 | 等式を立てる |
| 差・変化パターン | 変化前後の差を求める | 燃焼の質量変化、析出量 | 引き算 |
| 速さパターン | 速さ=距離÷時間 | 音の伝わり方、地震波 | 速さの公式 |
この5パターンを意識して問題を分類する習慣をつけると、初見の問題でも「これは比例パターンだ」と気づけるようになります。
理科の計算問題は理科全体の攻略法の中でも最重要テーマです。
比例パターンの計算問題を完全マスター
比例パターンは理科の計算問題で最も出題頻度が高いパターンです。「AがX倍になればBもX倍になる」という関係を利用して解きます。
ばねの計算(フックの法則)
ばねは加えた力に比例して伸びます。
基本の考え方:
- 10gのおもりで2cm伸びるばね → 30gでは何cm伸びる?
- 10g:2cm = 30g:Xcm
- X = 2 × 30 ÷ 10 = 6cm
溶解度の計算
水100gに溶ける物質の最大量(溶解度)も比例関係で計算します。
例: 水100gに食塩が36g溶ける場合、水250gには何g溶ける?
- 100g:36g = 250g:Xg
- X = 36 × 250 ÷ 100 = 90g
比例計算を解くコツ:表を書く
比例計算は「表」を書いて整理すると間違いが減ります。
| 条件1 | 条件2 | |
|---|---|---|
| 水の量 | 100g | 250g |
| 溶ける量 | 36g | ?g |
表を書くことで「何と何が比例しているか」が視覚的にわかりやすくなります。比例計算は物理分野の解き方でも多用する基本テクニックです。
割合パターンの計算問題を攻略する
割合パターンは「全体の中で一部がどれくらいか」を求める計算です。濃度や密度の計算がこのパターンに該当します。

濃度の計算
濃度の公式は以下の通りです。
濃度(%)= 溶質の重さ ÷ 水溶液の重さ × 100
ここで重要なのは、分母が「水の重さ」ではなく「水溶液の重さ(=水+溶質)」であることです。
例: 水200gに食塩50gを溶かした水溶液の濃度は?
- 水溶液の重さ = 200 + 50 = 250g
- 濃度 = 50 ÷ 250 × 100 = 20%
食塩水の混合問題
2つの食塩水を混ぜる問題は、以下の手順で解きます。
- それぞれの食塩水に含まれる食塩の量を求める
- 食塩の合計を出す
- 水溶液の合計を出す
- 新しい濃度を計算する
| 食塩水A | 食塩水B | 混合後 | |
|---|---|---|---|
| 水溶液の重さ | 300g | 200g | 500g |
| 濃度 | 10% | 5% | ? |
| 食塩の重さ | 30g | 10g | 40g |
混合後の濃度 = 40 ÷ 500 × 100 = 8%
濃度の計算は化学分野の攻略法でも詳しく解説しています。
つり合いパターンの計算問題を確実に解く
つり合いパターンは「左辺=右辺」の等式を立てて解く計算です。てこや中和反応がこのパターンに該当します。
てこの計算
てこの原理は「モーメントのつり合い」で解きます。
時計回りのモーメント = 反時計回りのモーメント力×距離 = 力×距離例: 支点から左30cmに60g、右Xcmに40gでつり合うとき
- 60 × 30 = 40 × X
- 1800 = 40X
- X = 45cm
中和反応の計算
中和反応では、酸とアルカリが一定の比で反応します。
例: 塩酸20mLと水酸化ナトリウム水溶液30mLで完全中和するとき、塩酸50mLを中和するには水酸化ナトリウム水溶液は何mL必要?
- 20mL:30mL = 50mL:Xml
- X = 30 × 50 ÷ 20 = 75mL
つり合いパターンは比例パターンと組み合わせて出題されることが多いため、両方のパターンを理解しておく必要があります。
差・変化パターンと速さパターンの解き方
差・変化パターン
燃焼による質量変化や、溶解度の変化による結晶の析出量を求める問題がこのパターンです。
金属の燃焼問題:
- 鉄と酸素は7:3の質量比で反応する
- 鉄14gを完全燃焼させると:結合する酸素 = 14 × 3 ÷ 7 = 6g
- 酸化鉄の質量 = 14 + 6 = 20g
結晶の析出問題:
- 60℃で水100gに110g溶ける物質が、20℃では32gしか溶けない
- 析出する結晶の量 = 110 − 32 = 78g
速さパターン
音の伝わり方や地震波の問題で使います。
速さ = 距離 ÷ 時間例: 花火の光が見えてから5秒後に音が聞こえた。花火までの距離は?(音速340m/秒)
- 距離 = 340 × 5 = 1700m
光はほぼ瞬時に届くため、光が見えてから音が聞こえるまでの時間で距離を計算できます。これらの計算パターンは理科の偏差値アップ戦略にも直結します。
計算問題が苦手な原因と克服法
計算問題が苦手な受験生には共通する原因があります。原因を特定して対策することで、効率的に苦手を克服できます。

苦手の3大原因
| 原因 | 症状 | 対策 |
|---|---|---|
| 基礎計算力の不足 | 小数・分数の計算ミスが多い | 毎日10分の計算ドリル |
| 仕組みの理解不足 | 何をどう計算すればいいかわからない | 図や表で整理する練習 |
| 問題文の読み取り不足 | 条件を見落とす | 条件を箇条書きにする |
効果的な克服法
1. 毎日の計算トレーニング
小数の掛け算・割り算、分数の計算、比の計算を毎日10分ずつ練習しましょう。計算力は筋力と同じで、毎日鍛えないと衰えます。
2. 問題文の条件を整理する
計算問題を解くとき、まず問題文に書かれている条件をすべて書き出しましょう。条件を箇条書きにすることで、何と何を使って計算すればいいかが明確になります。
3. 図や表を描いてから計算する
いきなり計算式を立てるのではなく、まず図や表で情報を整理しましょう。視覚化することで計算の方針が見えやすくなります。
4. パターン別の反復練習
5大パターンを意識して、パターンごとに問題を分類して解く練習をしましょう。パターンが身につくと、新しい問題でも「これは比例パターンだ」とすぐに判断できるようになります。
計算問題の苦手克服は理科の苦手克服法でも重要テーマです。
入試本番での計算問題の時間配分と解答戦略
入試本番では、限られた時間の中で計算問題に取り組む必要があります。効率的な時間配分と解答順序を決めておきましょう。
おすすめの解答順序
- 知識問題を先に解く:暗記で答えられる問題を素早く片付ける
- 簡単な計算問題を次に解く:比例パターンなど、短時間で解ける計算を処理する
- 複雑な計算問題を最後に解く:中和のグラフ読み取りなど、時間がかかる問題は最後に
計算ミスを防ぐ3つの習慣
- 途中式を必ず書く:暗算は禁止、必ず式を書く
- 単位を確認する:gなのかmLなのかを常にチェック
- 答えの妥当性を確認する:常識的におかしくないか一瞬で判断
理科の学習に適した教材はおすすめ問題集・教材ガイドで紹介しています。
よくある質問(FAQ)
Q1: 理科の計算問題と算数の計算問題の違いは何ですか?
算数は計算して数値を出すことがゴールですが、理科は実験結果を分析するために「何と何を比べるか」を考える必要があります。理科の計算は「目的のある計算」であり、なぜその計算をするのかを理解していないと正しい式を立てられません。
Q2: 計算問題は毎日どれくらい練習すべきですか?
理想は毎日2〜3問の理科計算問題と、10分間の基礎計算ドリルを組み合わせることです。一度にたくさん解くよりも、毎日少しずつ継続する方が効果的です。週末にまとめて10〜15問を時間を計って解く演習も取り入れると、入試本番の時間感覚が身につきます。
Q3: どのパターンから練習を始めるべきですか?
まず比例パターンから始めることをおすすめします。比例パターンは最も出題頻度が高く、他のパターンの基礎にもなります。比例パターンが確実に解けるようになったら、割合パターン→つり合いパターン→差・変化パターン→速さパターンの順に進みましょう。
まとめ
中学受験理科の計算問題は、比例・割合・つり合い・差/変化・速さの5大パターンを理解すれば攻略できます。問題を解く前に条件を書き出し、図や表で整理する習慣をつけましょう。毎日の計算トレーニングと、パターン別の反復練習を続けることで、計算問題を得点源に変えることができます。入試本番では知識問題から解き、計算問題は後回しにする戦略で時間を効率的に使いましょう。
参考リンク:
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