中学受験の合格率と倍率の正しい見方

「倍率7倍って、うちの子で合格できるの?」「第一志望に受かる確率はどれくらい?」――中学受験で気になる合格率と倍率ですが、正しい見方を知らないと不安が増すだけです。栄光ゼミナールによると、「出願倍率」と「実質倍率」の違いを理解することが、冷静な志望校選びの第一歩です。
中学受験の合格率と倍率の正しい見方
「倍率7倍って、うちの子で合格できるの?」「第一志望に受かる確率はどれくらい?」――中学受験で気になる合格率と倍率ですが、正しい見方を知らないと不安が増すだけです。栄光ゼミナールによると、「出願倍率」と「実質倍率」の違いを理解することが、冷静な志望校選びの第一歩です。
本記事では、倍率の種類と計算方法、正しい見方のポイント、第一志望合格率の実態データ、そして倍率を踏まえた受験戦略まで、保護者が知っておくべき知識を網羅的に解説します。
倍率の種類と計算方法
中学受験でよく目にする「倍率」には、主に2つの種類があります。この違いを理解することが正しい判断の基本です。

| 倍率の種類 | 計算方法 | 特徴 |
|---|---|---|
| 出願倍率(志願倍率) | 出願者数 ÷ 募集定員 | 試験前にわかる。実際より高く見える |
| 実質倍率 | 受験者数 ÷ 合格者数 | 試験後に判明。実際の競争率を反映 |
なぜ出願倍率と実質倍率は異なるのか
塾選ジャーナルの解説によると、以下の理由で実質倍率は出願倍率より低くなるのが一般的です。
- 欠席者の存在:出願したものの、他校に合格して受験を取りやめるケースが多い
- 合格者数が定員より多い:入学辞退者を見込んで、定員以上の合格者を出す
- 複数回受験の重複:同じ学校の複数回入試に出願するケースがある
具体例で理解する:
- A中学:募集定員100名、出願者700名、受験者500名、合格者220名
- 出願倍率 = 700 ÷ 100 = 7.0倍(すごく難しそう…)
- 実質倍率 = 500 ÷ 220 = 2.3倍(約2人に1人が合格)
このように、出願倍率だけを見て判断すると、実際の難易度を見誤る可能性があります。
第一志望の合格率|データが示す現実
中学受験において、第一志望校に合格できる確率はどれくらいなのでしょうか。現代ビジネスの分析をはじめ、複数のデータを紹介します。
| データソース | 第一志望合格率 | 備考 |
|---|---|---|
| 一般的な統計 | 約25〜30% | 男子は約4人に1人、女子は約3人に1人 |
| 2023年アンケート | 49% | 最終的な志望校ベース(直前の変更含む) |
| 当初の第一志望ベース | 約10%未満 | 小4時点の第一志望を基準にした場合 |
この数字の違いは、「第一志望」の定義によって生まれます。
- 当初の第一志望(小4〜5年時点):合格率は非常に低い(10%未満との見方も)
- 出願時の第一志望(小6秋以降):模試結果をもとに現実的な志望校に調整済み
- 入試直前の第一志望(最終決定後):さらに調整された後の合格率は約49%
つまり、受験勉強を進める中で志望校を現実的に調整していくことは、ごく自然なプロセスです。志望校選びと学校研究で、後悔しない志望校決定のコツを解説しています。
倍率の正しい見方|5つのポイント
1. 実質倍率で判断する
出願倍率ではなく、前年度の実質倍率を参考にしましょう。実質倍率が2〜3倍の学校が多く、これは「2〜3人に1人が合格する」という意味です。

2. 年度ごとの変動に注意する
倍率は年度によって変動します。前年の倍率が高かった学校は翌年敬遠されて倍率が下がり、逆に低かった学校は翌年人気が出て倍率が上がる「シーソー現象」が起きることがあります。
3. 入試回次による違いを知る
同じ学校でも、入試回次によって倍率は大きく異なります。
| 入試回次 | 倍率の傾向 | 理由 |
|---|---|---|
| 第1回入試 | 比較的低め | 合格者を多く出す傾向 |
| 第2回以降 | 高くなる傾向 | 募集定員が少なく、再挑戦者も加わる |
| 午後入試 | 高いことが多い | 午前入試との併願で受験者が集中 |
4. 練習受験校の倍率は参考程度に
12月〜1月上旬に入試がある学校は、本番前の「練習受験」として受ける受験生が多いため、出願倍率が非常に高くなります。これを見て「こんなに競争率が高いんだ」と驚く必要はありません。
5. 偏差値と倍率は別物
倍率が高い学校=偏差値が高い学校とは限りません。人気校でも偏差値が中程度のケースもあれば、偏差値は高いが倍率はそれほどでもないケースもあります。偏差値の正しい見方もあわせてご確認ください。
首都圏の倍率データ
スタディの調査データをもとに、首都圏の平均実質倍率を紹介します。
| 地域 | 男子校 | 女子校 | 共学 | 国立 | 公立中高一貫 |
|---|---|---|---|---|---|
| 東京都 | 2.5倍 | 1.9倍 | 2.4倍 | 4.1倍 | 6.0倍 |
| 神奈川県 | 2.4倍 | 1.8倍 | 2.7倍 | 2.4倍 | 6.1倍 |
注目すべきは公立中高一貫校の倍率が非常に高いことです。これは学費が安く人気が集中するためで、合格するのは非常に狭き門と言えます。
倍率を踏まえた受験戦略
安全校・実力相応校・挑戦校の組み合わせ
倍率と偏差値を総合的に判断し、以下の3段階で受験校を組むことが基本戦略です。
| 受験校の分類 | 目安 | 出願数の目安 |
|---|---|---|
| 挑戦校(チャレンジ校) | 偏差値が+3〜5上 | 1〜2校 |
| 実力相応校(適正校) | 偏差値±2以内 | 2〜3校 |
| 安全校(おさえ校) | 偏差値が-3〜5下 | 1〜2校 |
合格を勝ち取るための心得
- 模試の合格判定を活用:かしこい塾の使い方によると、6年11月で合格率40%超えていれば合格の可能性あり
- 過去問との相性を重視:倍率よりも、入試問題との相性が合否を左右することが多い
- 複数校の出願計画を入念に:入試日程を考慮し、体力的にも無理のない計画を立てる
- 最後まで諦めない:入試直前対策で実力を最大限発揮する
まとめ|倍率に振り回されない冷静な判断を
中学受験の合格率と倍率は、正しく理解すれば受験戦略の強力な武器になります。
覚えておくべきポイント:
- 出願倍率と実質倍率は異なる。判断は実質倍率で行う
- 第一志望合格率は約3割だが、志望校の調整は自然なプロセス
- 首都圏の平均実質倍率は2〜3倍。公立中高一貫校は6倍超
- 倍率の高低だけで志望校を決めず、偏差値・過去問との相性も重視
- 安全校・実力相応校・挑戦校のバランスのとれた出願計画が重要
中学受験の全体像は中学受験入門ガイドで、志望校選びの詳細は志望校選びと学校研究で解説しています。親の役割とサポート術も参考に、お子さまを冷静にサポートしましょう。
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