中学受験の倍率・志願者数の推移と今後の予測

中学受験を検討している保護者にとって、「今の受験競争はどれほど激しいのか」「これからも難しくなるのか」という疑問は非常に重要です。受験率・志願者数・倍率のデータを正確に把握することで、受験戦略の立案や精神的な準備に役立てることができます。
中学受験の倍率・志願者数の推移と今後の予測
中学受験を検討している保護者にとって、「今の受験競争はどれほど激しいのか」「これからも難しくなるのか」という疑問は非常に重要です。受験率・志願者数・倍率のデータを正確に把握することで、受験戦略の立案や精神的な準備に役立てることができます。
本記事では、首都圏を中心とした中学受験の志願者数推移・倍率データを詳しく解説し、少子化時代における今後の受験動向も予測します。中学受験の全体像を把握したい方は、まずこちらの完全ガイドをご覧ください。
[画像: 中学受験の志願者数推移グラフ - 首都圏の受験率と受験者数の変化]
首都圏の中学受験者数・受験率の推移(2015〜2025年)
首都圏(東京・神奈川・埼玉・千葉の1都3県)の私立・国立中学校受験者数は、長期的に増加傾向をたどってきました。
受験者数の長期推移データ
| 年度 | 受験者数 | 受験率 | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 2015年 | 約45,500人 | 約14.5% | — |
| 2018年 | 約48,000人 | 約15.3% | +2.1% |
| 2020年 | 約51,400人 | 約16.4% | 大台突破 |
| 2021年 | 約51,400人 | 約17.3% | 横ばい |
| 2022年 | 約52,000人 | 約17.6% | +1.2% |
| 2023年 | 約52,500人 | 約17.8% | +1.0% |
| 2024年 | 約52,400人 | 18.12% | -0.2% |
| 2025年 | 約52,300人 | 18.10% | -0.2% |
出典:首都圏模試センター「2024年私立・国立中学受験者数は52,400名」
「6人に1人が中学受験」の時代
注目すべきは受験率の継続的な上昇です。首都圏では10年連続で受験率がアップし、2024年には18.12%と過去最高を記録。これは「小学生の約6人に1人が中学受験をする」という計算になります。
2020年に受験者数が大台の5万人を突破した後、2022年・2023年と史上最多を更新し続けました。2024〜2025年は微減しているものの、受験率自体は依然として高い水準を維持しています。
難関校・人気校の倍率推移
志願者数の増加に伴い、難関校の倍率も高騰しています。受験校選びの参考として、代表的な学校の倍率動向を確認しましょう。
男子難関校の倍率推移
| 学校名 | 2020年倍率 | 2023年倍率 | 2025年倍率 | 傾向 |
|---|---|---|---|---|
| 開成(東京) | 約2.3倍 | 約2.5倍 | 約2.4倍 | 安定高倍率 |
| 麻布(東京) | 約2.0倍 | 約2.2倍 | 約2.1倍 | 安定 |
| 東大寺学園(大阪) | 約4.0倍 | 約4.5倍 | 約4.85倍 | 上昇 |
| 灘(兵庫) | 約2.5倍 | 約2.8倍 | 約2.7倍 | 高倍率維持 |
女子難関校・共学難関校の倍率
| 学校名 | 2022年倍率 | 2024年倍率 | 傾向 |
|---|---|---|---|
| 桜蔭(東京) | 約2.3倍 | 約2.4倍 | 上昇傾向 |
| 女子学院(東京) | 約2.0倍 | 約2.1倍 | 安定 |
| 渋谷幕張(千葉) | 約4.0倍 | 約4.2倍 | 高倍率 |
| 慶應義塾中等部 | 約6.0倍 | 約6.5倍 | 超高倍率 |
難関校・附属校は引き続き高倍率を維持しており、特に大学附属校の人気は根強く続いています。
[画像: 中学受験の難関校競争率と合格難易度のイメージ]
少子化が中学受験に与える影響
日本全体で少子化が進む中、中学受験の世界はどう変わっていくのでしょうか。データと専門家の見解をもとに分析します。

小学校卒業生数と受験者数の関係
首都圏の公立小学校6年在籍者数は緩やかな減少傾向にあります。2024年度の1都3県の小学校卒業予定者数は約28万1,000人で、大きな減少が始まるのは数年後の学年からと見られています。
首都圏模試センターの分析によると、「少なくともあと3年間は首都圏の中学入試の厳しさは変わらない」と予測されています。
受験率上昇が受験者数を下支え
少子化が進んでいる一方で、受験率の上昇がそれを補う形で機能しています。
- 核家族化・共働き世帯の増加により、教育投資への意識が高まっている
- 公立中学校への不安から私立中学を選ぶ傾向が強まっている
- 高校受験回避・大学附属校人気の継続
これらの要因により、少子化が本格化するまでの間は受験者数の急激な減少は起こりにくいと考えられます。
長期的には減少局面へ
ただし、nippon.comの記事が指摘するように、中長期的には少子化の影響から中学受験者数が「右肩下がり」になることは避けられません。各私立学校も、入試の多様化や大学進学ルートの確保など、様々な生き残り策を模索しています。
地域別の受験動向:首都圏vs関西
中学受験の激戦区として知られるのは首都圏と関西(大阪・兵庫・京都など)ですが、それぞれの動向は異なります。
首都圏の特徴
- 私立中学の数が圧倒的に多く、選択肢が豊富
- 御三家(開成・麻布・武蔵、女子御三家)を頂点とした序列が明確
- 2月1日〜3日を中心とした集中した入試日程
- 近年は通学圏を広げた「遠征受験」も一般的に
関西の特徴
関西の中学受験動向データによれば、近畿2府4県全体では2021〜2022年に減少傾向があったものの、直近2年はやや回復傾向にあります。
| 府県 | 傾向 |
|---|---|
| 大阪府 | 2022年以降は増加傾向 |
| 兵庫県 | 2023年まで緩やかに減少、2024年に前年比クリア |
| 京都府 | 比較的安定 |
| 奈良県 | 東大寺・西大和の影響で高倍率 |
その他地域の動向
首都圏・関西以外では、名古屋・福岡などの都市部を中心に受験文化が根付いています。地方都市でも国立大学附属中学への受験は根強い人気があります。
今後の中学受験の予測と戦略
データを踏まえた上で、これから中学受験に臨む方に向けた見通しと戦略を解説します。

短期的(2025〜2027年)の見通し
- 首都圏受験者数は横ばい〜微減傾向が続く
- 難関校・大学附属校の高倍率は変わらない
- 中堅校では学校間の競争が激化し、各校が入試改革を進める
- 英語・思考力重視の出題傾向が継続・強化される
中学受験の最新トレンドについては別記事で詳しく解説しています。
中長期的(2028年以降)の予測
- 少子化の本格的な影響が表れ始め、受験者数が減少に転じる可能性
- 定員割れが続く私立校は統廃合や学校改革を迫られる
- 一方で人気校・難関校はブランド力を維持し、引き続き高倍率が続く
- 公立中高一貫校の充実により、競争の軸が変化する可能性もある
保護者が取るべき戦略
- 早めの情報収集:倍率動向は毎年変化するため、最新情報を常にチェック
- 安全校・チャレンジ校のバランス:倍率を踏まえた併願計画の重要性
- 学校説明会への積極参加:各校の入試傾向・求める生徒像を直接確認
- 子どもの適性に合った選択:倍率だけでなく、校風・教育方針も重視
受験校選びの具体的なポイントについては、塾選びガイドも参考にしてください。
倍率・志願者数の正しい読み方
受験に臨む際、数字を正確に解釈することも重要です。単純な倍率の比較には落とし穴があります。

「実質倍率」と「見かけ倍率」の違い
多くの学校が複数回の入試を設けるため、延べ志願者数と実受験者数は異なります。
- 延べ志願者数:すべての入試回の合計(同じ生徒が複数回受験)
- 実受験者数:実際に受験した生徒の人数(重複なし)
- 実質倍率:実受験者数÷合格者数で算出される実際の競争率
補欠・繰り上げ合格の実態
難関校では補欠合格(繰り上げ合格)制度があり、1次発表後に追加合格が出ることも。実際の合格可能性を考える際は、繰り上げ合格の実績も確認しておきましょう。
年度によるブレを考慮する
受験制度の仕組みについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
倍率は入試日程(特にサンデーショックなど)や社会情勢の影響を受けて大きく変動することがあります。単年のデータではなく、複数年の推移を見て判断することが重要です。
まとめ:データから見える中学受験の現実
中学受験の倍率・志願者数について整理しました。
押さえておきたいポイント:
- 首都圏の中学受験者数は2024年に52,400人・受験率18.12%と高水準を維持
- 2025年も52,300人と微減にとどまり、受験熱の高さは継続
- 難関校・附属校は引き続き高倍率で、競争は依然として激しい
- 少子化の影響は中長期的に出てくるが、向こう数年は大きな変化はない見込み
- 地域別に異なる動向があり、首都圏・関西でそれぞれ特徴がある
中学受験は、お子さまの将来を大きく左右する重要な選択です。倍率・志願者数のデータを冷静に分析しながら、お子さまの適性や希望を最優先に考えた受験計画を立てることが大切です。
受験のスケジュールや学習計画についてはこちらの記事も参考にしてください。また、受験にかかる費用の全体像を把握しておくことも重要です。
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