中学受験国語の物語文の読み方と解答テクニック

中学受験の国語で出題される物語文の設問は、約7割が登場人物の心情に関する問題です。物語文が苦手な受験生でも、正しい読み方と解き方のテクニックを身につければ、確実に得点力を上げることができます。
中学受験国語の物語文の読み方と解答テクニック|心情問題を攻略する方法
中学受験の国語で出題される物語文の設問は、約7割が登場人物の心情に関する問題です。物語文が苦手な受験生でも、正しい読み方と解き方のテクニックを身につければ、確実に得点力を上げることができます。
本記事では、中学受験の国語攻略法の中でも特に物語文に焦点を当て、読み方のコツと解答テクニックを詳しく解説します。
物語文で問われる問題のパターン
出題パターンを知ることが第一歩
物語文の出題パターンは決まっています。パターンを知ることで、何を意識して読めばいいかが明確になります。
| 出題パターン | 出題頻度 | 具体的な設問例 |
|---|---|---|
| 心情を問う | ★★★★★ | 「このとき太郎はどんな気持ちでしたか」 |
| 理由を問う | ★★★★ | 「なぜ花子は走り出したのですか」 |
| 心情変化を問う | ★★★★ | 「太郎の気持ちはどのように変化しましたか」 |
| 比喩・表現の意味 | ★★★ | 「この表現はどういう意味ですか」 |
| 場面の説明 | ★★ | 「この場面の状況を説明しなさい」 |
| テーマ・主題 | ★★ | 「この物語が伝えたいことは何ですか」 |
物語文の正しい読み方5ステップ
ステップ1:登場人物を整理する
登場人物が出てくるたびにチェックを入れ、人物同士の関係(親子、友人、先生と生徒など)を把握しましょう。

チェックポイント:
- 名前に丸をつける
- 関係性をメモする(例:太郎=主人公、次郎=親友)
- 年齢や立場を確認する
ステップ2:場面の変化を捉える
「いま、どのような場面なのか」を正確に押さえながら読み進めることが重要です。場面が変わるサインは以下の通りです。
| 場面変化のサイン | 具体例 |
|---|---|
| 時間の経過 | 「次の日」「三ヶ月後」「夕暮れ時」 |
| 場所の移動 | 「学校に着くと」「家に帰ると」 |
| 登場人物の入替 | 「そこへ母がやってきて」 |
| 空行・改行 | 段落の大きな切れ目 |
ステップ3:会話文に注目する
心情の多くが会話文で表現されるため、会話文には細心の注意を払って読む必要があります。
注目するポイント:
- 何を言ったか(内容)
- どう言ったか(「叫んだ」「つぶやいた」「声を震わせて」など)
- なぜ言ったか(背景と動機)
ステップ4:プラス・マイナスの感情を分類する
気持ちを表す言葉をプラスとマイナスに分けて書き込みながら読むと、心情の変化が視覚的にわかりやすくなります。
| プラスの感情 | マイナスの感情 |
|---|---|
| 喜び、感動、安心 | 悲しみ、不安、怒り |
| 希望、期待、感謝 | 後悔、嫉妬、孤独 |
| 自信、達成感、誇り | 劣等感、焦り、恥ずかしさ |
ステップ5:心情変化のきっかけを見つける
物語文ではある出来事をきっかけに心情が変化するパターンが非常に多いです。「変化前の心情」→「きっかけの出来事」→「変化後の心情」の流れを意識して読みましょう。
心情問題を解く4ステップ
背景×出来事で心情を特定する
同じ「泣いた」という出来事でも、背景によって心情は変わるため、背景と出来事をセットで整理することが解く際のカギです。

| 出来事 | 背景 | 心情 |
|---|---|---|
| 泣いた | 試合に負けた | 悔しい |
| 泣いた | 離れていた母と再会 | 嬉しい・安心 |
| 泣いた | 友人の引っ越し | 寂しい・悲しい |
| 泣いた | 自分のミスで仲間に迷惑をかけた | 申し訳ない |
解答の4ステップ
Step 1:傍線部の行動・描写を確認する
「何をしたか」「どんな様子か」を正確に把握する
Step 2:傍線部の前後から理由(背景+出来事)を探す
「なぜそうなったか」の根拠を本文から見つける
Step 3:心情を特定する
背景と出来事から、適切な感情語を選ぶ
Step 4:設問の形式に合わせて答案を書く
記述問題の書き方に従って、求められる形式で答える
物語文の頻出テーマと対策
最近の出題テーマベスト7
中学受験の物語文のテーマは以下の7つに集約されます。

| テーマ | 具体例 | 対策ポイント |
|---|---|---|
| 友情・仲間 | 友人との衝突と和解 | 相手の立場を理解する心の成長 |
| 親子関係 | 反抗期、離婚、愛情表現 | 親の真意と子の受け止め方 |
| 自己発見 | 自分の本当の気持ちに気づく | 内面の葛藤と成長 |
| 異文化理解 | 転校、外国人との交流 | 違いを受け入れる姿勢 |
| 挫折と成長 | 失敗から立ち直る | 困難を乗り越える過程 |
| 生と死 | ペットの死、祖父母との別れ | 命の大切さへの気づき |
| 社会問題 | いじめ、環境問題 | 自分ごととして考える |
テーマ別の読み方のコツ
親子関係のテーマ:
最近の出題で特に頻出です。表面的な言葉の裏にある本音を読み取ることがポイントです。「怒っているように見えるが、本当は心配している」といった複雑な心情を理解しましょう。
友情のテーマ:
すれ違い→衝突→相互理解→和解というパターンが典型的です。「なぜすれ違ったのか」を正確に把握することが解答のカギです。
物語文の選択肢問題の攻略法
消去法を使いこなす
選択肢問題では、以下の手順で消去法を使いましょう。
- 本文に書かれていない内容を含む選択肢を消す
- 心情のプラス・マイナスが本文と合わない選択肢を消す
- 部分的に正しいが全体としてずれている選択肢を消す
- 残った選択肢の中から最も正確なものを選ぶ
よくある引っかけパターン
| パターン | 説明 | 対策 |
|---|---|---|
| 部分正解 | 前半は正しいが後半がずれている | 選択肢全体を丁寧に確認 |
| 過度な一般化 | 「すべて」「絶対に」など極端な表現 | 断定的な表現に注意 |
| 自分の感想 | 一般論としては正しいが本文に根拠がない | 本文の根拠を確認 |
| 時系列のずれ | 正しい内容だが場面が異なる | どの場面についての問いか確認 |
物語文読解のおすすめ問題集
| 問題集 | レベル | 特徴 |
|---|---|---|
| 『ふくしま式 物語文の読み解き方』 | 基礎 | 心情読み取りの基本を学べる |
| 『読みテク 物語文編』 | 標準 | テクニックを体系的に習得 |
| 『物語文の攻略(中学受験鉄人会)』 | 標準~応用 | 実戦的な問題が豊富 |
| 『難関校過去問演習』 | 応用 | 入試本番レベルの問題に挑戦 |
よくある質問(FAQ)
Q. 物語文を読んでも登場人物の気持ちがわかりません。
A. 自分の感情で読むのではなく、本文に書かれた手がかり(行動・セリフ・表情・情景描写)から客観的に読み取る練習をしましょう。「自分がどう思うか」ではなく「本文から何が読み取れるか」に注目してください。
Q. 物語文の読解に時間がかかりすぎます。
A. 設問を先に読んでから本文を読む方法を試してみてください。何を聞かれるかを知ってから読むことで、必要な情報に素早く注目できます。時間配分テクニックも参考にしてください。
Q. 記述で心情を書くとき、どの言葉を使えばいいですか?
A. 心情語のストックを増やすことが大切です。「嬉しい」「悲しい」だけでなく、「誇らしい」「やりきれない」「心が晴れやかになった」など、具体的な感情語を語彙力として身につけておきましょう。
Q. 最近の入試ではどんな物語が出ますか?
A. 近年は親子関係、友人関係、自己理解をテーマにした現代小説が多く出題されています。重松清、辻村深月、瀬尾まいこなどの作品が頻出です。入試の出題傾向もチェックしましょう。
まとめ
物語文の読解は、登場人物の整理→場面変化の把握→会話文と心情表現への注目→背景×出来事で心情を特定という流れを徹底することで、確実に得点力が向上します。
「感覚」ではなく「論理」で読む。これが物語文攻略の最大のポイントです。日々の練習で読解力を磨いていきましょう。
この記事について:当サイトの記事は、教育分野に精通した編集チームが、信頼できる情報源に基づいて作成・レビューしています。記事の内容は定期的に見直し、最新の情報に更新しています。詳しくは編集ポリシーをご覧ください。誤りや改善点がございましたら、お問い合わせからご連絡ください。
関連記事

中学受験国語の偏差値を確実にアップする勉強法
「国語の偏差値がなかなか上がらない」「他の科目は伸びているのに国語だけ停滞している」——こうした悩みを抱える受験生は少なくありません。しかし、国語は正しい勉強法で取り組めば、偏差値40台から65まで上げた実例があるほど、確実に伸ばせる科目です。この記事では、中学受験の国語で偏差値を確実にアップするための具体的な勉強法を、暗記分野・読解分野・実践演習の3つに分けて徹底解説します。段階的なアプローチで
続きを読む →
中学受験国語の難関校出題傾向と高得点対策
難関校の国語は、一般的な中学受験とは質的に異なる高い要求水準が設定されています。開成の記述中心の出題、麻布の字数指定なし記述、桜蔭の大学入試レベルの語彙——御三家をはじめとする難関校の国語で高得点を取るには、専門的な対策が不可欠です。この記事では、難関校の国語の最新出題傾向を分析し、合格に必要な具体的な対策法を解説します。2024〜2025年入試の最新データに基づいた実践的な攻略法をお伝えします。
続きを読む →
中学受験国語の選択肢問題の解き方と消去法
中学受験の国語では、選択肢問題が全体の約半分を占めています。「なんとなく」で選んでいませんか?選択肢問題には明確な解法のテクニックがあり、消去法を正しく使いこなすだけで正答率は大幅にアップします。この記事では、プロ講師が教える選択肢問題の5つの引っかけパターンと、消去法を超えた「根拠ある選択」の方法を詳しく解説します。選択肢問題を確実な得点源にして、国語の偏差値を一気に引き上げましょう。
続きを読む →
中学受験国語の時間配分テクニックと解答順
「国語のテストで時間が足りない」「最後の問題までたどり着けない」——これは中学受験生の多くが抱える悩みです。国語は他の科目と比べて文章量が多く、読解と記述に時間がかかるため、時間配分が得点を大きく左右します。この記事では、国語のテストを最後まで解き切るための時間配分テクニックと、最適な解答順を具体的に解説します。プロ講師が実践する設問処理の方法も紹介しますので、すぐに試験で活用できます。
続きを読む →
中学受験国語の文法・敬語・ことわざの対策
中学受験の国語で「知識問題」と呼ばれる文法・敬語・ことわざ・慣用句・四字熟語の分野は、正しく覚えれば確実に得点できる貴重な分野です。読解問題とは異なり、知識があるかないかで明確に差がつくため、対策の効果が目に見えやすいのが特徴です。この記事では、中学受験で頻出の知識問題を分野別に整理し、効率的な学習法と実践的な対策を徹底解説します。知識問題を得点源に変えて、国語の偏差値アップを実現しましょう。
続きを読む →
中学受験国語力を伸ばす読書習慣の作り方
「国語力を伸ばすなら読書をさせましょう」というアドバイスはよく聞きますが、ただ本を読ませるだけでは国語の成績は上がりません。実は「読書」と「読解」は明確に異なるものであり、読書を国語力アップにつなげるには正しいアプローチが必要です。この記事では、中学受験で求められる国語力を育てるための読書習慣の作り方を、本の選び方から具体的な実践法まで詳しく解説します。42,696人の小学生を対象にした調査データ
続きを読む →