中学受験算数の特殊算の種類と解法まとめ

中学受験の算数で避けて通れないのが「特殊算」です。つるかめ算、旅人算、和差算など、学校の授業では習わない独特の解法が必要な問題群で、中学受験ならではの分野です。
中学受験算数の特殊算の種類と解法まとめ
中学受験の算数で避けて通れないのが「特殊算」です。つるかめ算、旅人算、和差算など、学校の授業では習わない独特の解法が必要な問題群で、中学受験ならではの分野です。
かるび勉強部屋の調査によると、中学受験で出題される特殊算は約24種類あります。全てを丸暗記する必要はありませんが、頻出の特殊算については確実に解法をマスターしておく必要があります。この記事では、全ての特殊算を体系的にまとめ、効率的な学習法を解説します。
特殊算の全種類一覧と分類
特殊算は大きく5つのカテゴリーに分類できます。
| カテゴリー | 含まれる特殊算 | 頻出度 |
|---|---|---|
| 数量関係 | 和差算・つるかめ算・過不足算・差集め算・分配算・平均算・倍数算・年齢算・相当算 | ★★★★★ |
| 速さ関係 | 旅人算・通過算・流水算・時計算 | ★★★★★ |
| 割合関係 | 濃度算・売買損益算・仕事算 | ★★★★ |
| 規則性 | 植木算・方陣算・日暦算 | ★★★ |
| その他 | ニュートン算・集合算・消去算 | ★★★ |
中学受験の算数攻略法の全体像も把握しておきましょう。
最頻出!数量関係の特殊算
数量関係の特殊算は出題頻度が最も高く、確実にマスターすべき分野です。

つるかめ算
概要:2種類のものの合計数と合計値から、それぞれの数を求める問題です。
基本の解法:全部一方だと仮定して、差から求める
例題:つるとかめが合わせて10匹、足の合計が28本のとき
- 全部つる(2本足)と仮定:10×2=20本
- 差:28−20=8本
- かめ1匹で足2本多い:8÷2=4匹(かめ)
- つる:10−4=6匹
和差算
概要:2つの数の和と差から、元の2つの数を求める問題です。
公式:
- 大きい数 = (和+差) ÷ 2
- 小さい数 = (和−差) ÷ 2
過不足算(差集め算)
概要:2つの配り方での過不足から、全体の数を求める問題です。
解法:過不足の合計 ÷ 1人あたりの差 = 人数
平均算
概要:いくつかのグループの平均から、全体の平均や個別の値を求める問題です。
ポイント:面積図を使って考えると分かりやすい
| 特殊算 | 使う図 | キーワード |
|---|---|---|
| つるかめ算 | 面積図 | 「合わせて○個、合計△」 |
| 和差算 | 線分図 | 「和が○、差が△」 |
| 過不足算 | 線分図 | 「○個ずつ配ると△余り」 |
| 平均算 | 面積図 | 「平均が○」 |
必修!速さ関係の特殊算
速さの特殊算は難関校でも頻出の最重要テーマです。
旅人算
概要:2人以上が移動する問題で、出会いと追いかけの2パターンが基本です。
- 出会い算:距離 ÷ 速さの和 = 出会うまでの時間
- 追いかけ算:距離 ÷ 速さの差 = 追いつくまでの時間
速さ・割合・比の完全攻略で詳しい解法を確認できます。
通過算
概要:長さのある物体(電車など)が通過する問題です。
- ポイントを通過:電車の長さ分だけ余分に走る
- 2つの電車がすれ違い:長さの和 ÷ 速さの和
- 追い越し:長さの和 ÷ 速さの差
流水算
概要:川の流れを考慮した船の速さの問題です。
- 上りの速さ = 静水時の速さ − 川の速さ
- 下りの速さ = 静水時の速さ + 川の速さ
時計算
概要:時計の長針と短針が作る角度や、重なる時刻を求める問題です。
- 長針は1分で6度、短針は1分で0.5度進む
- 1分あたりの差:6−0.5=5.5度
得点力を上げる割合関係の特殊算
割合を使った特殊算も入試では頻出です。
濃度算(食塩水問題)
概要:食塩水の濃度に関する問題です。
基本公式:濃度(%) = 食塩の量 ÷ 食塩水の量 × 100
混ぜ合わせる問題:てんびん法を使うと効率的に解けます。
売買損益算
概要:仕入れ・定価・売値・利益の関係を求める問題です。
- 定価 = 仕入れ値 × (1 + 利益率)
- 売値 = 定価 × (1 − 割引率)
仕事算
概要:仕事の全体量を1として、速さの割合で解く問題です。
- AとBが一緒に仕事をすると:1/A日 + 1/B日 = 1日あたりの仕事量
| 特殊算 | 使う図 | 得点のコツ |
|---|---|---|
| 濃度算 | てんびん図 | 食塩の量に注目する |
| 売買損益算 | 線分図 | 仕入れ値を基準にする |
| 仕事算 | 線分図 | 全体を1とおく |
差がつく!規則性とその他の特殊算
これらの特殊算は出題頻度は中程度ですが、差がつく問題として出されることがあります。
植木算
概要:一定間隔で植える木の本数と間の数の関係を求める問題です。
- 両端に植える:木の本数 = 間の数 + 1
- 片端だけ:木の本数 = 間の数
- 輪にする:木の本数 = 間の数
ニュートン算
概要:ニュートン算の解き方で紹介されているように、仕事が増え続ける中でさばいていく問題です。
3つの基本:
- 仕事が増える数を求める
- はじめにある仕事の数を求める
- さばく数と増える数の関係から解く
方陣算
概要:正方形や三角形に並べた碁石の数を求める問題です。
- 中実方陣:n×n個
- 中空方陣:4(n-1)個(一辺n個のとき)
集合算
概要:「AかつB」「AまたはB」の人数を求める問題です。
ベン図を使って整理するのが基本です。
場合の数と確率も合わせて学習しましょう。
特殊算の効果的な学習法
約24種類ある特殊算を効率的にマスターするための学習法を紹介します。

学習の優先順位
特殊算の完全攻略7つのポイントを参考に、以下の優先順位で学習しましょう。
- 最優先(小5前半):和差算・つるかめ算・旅人算・濃度算
- 優先(小5後半):過不足算・仕事算・通過算・売買損益算
- 標準(小6前半):流水算・時計算・ニュートン算・植木算
- 仕上げ(小6後半):方陣算・集合算・その他
「図を描く」ことが最大のコツ
特殊算を解く上で最も大切なのは、自分で図を描けるようになることです。線分図、面積図、てんびん図、ダイヤグラムなど、問題に応じた図を素早く正確に描く練習をしましょう。
パターン認識力を養う
問題文のキーワードから、どの特殊算かを素早く見分ける力が必要です。
| キーワード | 特殊算 |
|---|---|
| 「合わせて○個、合計が△」 | つるかめ算 |
| 「和が○、差が△」 | 和差算 |
| 「○個ずつ配ると…余る/不足」 | 過不足算 |
| 「向かい合って進む」 | 旅人算(出会い) |
| 「追いかける」 | 旅人算(追いかけ) |
| 「濃度○%の食塩水」 | 濃度算 |
| 「定価の○割引き」 | 売買損益算 |
文章題の解き方とコツも参考にしてください。
まとめ:特殊算は「図」と「パターン」で攻略
中学受験算数の特殊算攻略のポイントをまとめます。
- 特殊算は約24種類、頻出のものから優先的に学ぶ
- 図を描く力が解法の核心
- キーワードから特殊算の種類を見分ける
- 丸暗記ではなく理解して、応用力をつける
- 繰り返し練習でパターンを定着させる
特殊算を得意にできれば、算数の偏差値は大幅にアップします。偏差値を10上げる勉強法も合わせて参考にしてください。
よくある質問(FAQ)
Q: 特殊算は全種類覚える必要がありますか?
A: いいえ。約24種類ありますが、入試で頻出なのは10種類程度です。まずはつるかめ算・和差算・旅人算・濃度算・仕事算の5つを完璧にしましょう。
Q: 特殊算と方程式、どちらで解くべきですか?
A: 中学受験では特殊算の解法が一般的です。ただし、比や線分図を使った解法は方程式の考え方に通じているため、本質的には同じです。入試で使いやすい方を選びましょう。
Q: 特殊算の勉強はいつから始めるべきですか?
A: 小学4年生後半〜5年生前半が一般的です。まず和差算やつるかめ算などの基本的な特殊算から始め、5年生後半以降に応用的な特殊算へ進みましょう。
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