中学受験算数の速さ・割合・比の完全攻略

中学受験の算数で、多くの受験生が苦手とする「速さ」「割合」「比」。これら3つの単元は互いに密接に関連しており、一つを理解すれば他の単元の理解も深まるという特徴があります。逆に言えば、どれか一つでもつまずくと芋づる式に苦手が広がってしまう分野でもあります。
中学受験算数の速さ・割合・比の完全攻略
中学受験の算数で、多くの受験生が苦手とする「速さ」「割合」「比」。これら3つの単元は互いに密接に関連しており、一つを理解すれば他の単元の理解も深まるという特徴があります。逆に言えば、どれか一つでもつまずくと芋づる式に苦手が広がってしまう分野でもあります。
この記事では、速さ・割合・比の基本概念から入試頻出パターンまで、段階的に完全攻略する方法を解説します。線分図や面積図を使った視覚的な理解法も紹介しますので、苦手意識のあるお子さんにもぜひ活用してください。
速さ・割合・比の3単元が重要な理由
中学受験の算数において、速さ・割合・比は単独で出題されるだけでなく、文章題や図形問題など他の単元にも頻繁に絡んできます。
入試での出題頻度が非常に高い
大手塾の分析によると、中学受験算数の苦手単元トップ5に「速さ」「割合」「比」が全てランクインしています。つまり、これらを克服できれば他の受験生に大きな差をつけられる分野なのです。
3つの単元は相互に関連している
速さとは「時間あたりの距離の割合」であり、比の考え方を使って解く問題が多数出題されます。以下の表で3単元の関連性を確認しましょう。
| 単元 | 基本概念 | 他単元との関連 | 入試頻出度 |
|---|---|---|---|
| 速さ | 距離÷時間 | 割合の応用、比で解く問題多数 | ★★★★★ |
| 割合 | 比べる量÷もとにする量 | 速さの基礎、比の前提知識 | ★★★★★ |
| 比 | 2つの量の関係を表す | 速さ・割合の問題を効率的に解く道具 | ★★★★★ |
中学受験の算数攻略法の全体像も合わせて確認してください。
割合の基本と攻略法
割合は速さや比の土台となる重要単元です。まず割合をしっかり理解しましょう。

割合の3つの公式
割合の問題は、以下の3つの公式を確実に使いこなすことが基本です。
- 割合 = 比べる量 ÷ もとにする量
- 比べる量 = もとにする量 × 割合
- もとにする量 = 比べる量 ÷ 割合
割合の3つの公式を使った攻略法を参考に、まずはこの3公式を完璧に使えるようにしましょう。
割合の表し方を統一する
割合には「分数」「小数」「百分率(%)」「歩合(割・分・厘)」という4つの表し方があります。これらの変換をスムーズにできることが重要です。
| 分数 | 小数 | 百分率 | 歩合 |
|---|---|---|---|
| 1/10 | 0.1 | 10% | 1割 |
| 1/4 | 0.25 | 25% | 2割5分 |
| 1/3 | 0.333... | 33.3% | 3割3分3厘 |
| 1/2 | 0.5 | 50% | 5割 |
| 3/4 | 0.75 | 75% | 7割5分 |
割合の文章題攻略のコツ
割合の文章題で最も重要なのは「もとにする量」を正しく見つけることです。
- 「〜の」の前にある量が「もとにする量」
- 「〜は〜の何倍」「〜は〜の何%」という文の構造を把握する
- 線分図を描いて量の関係を可視化する
割合と比の7つ道具を活用すると、複雑な割合問題も整理しやすくなります。
比の基本と攻略法
比は割合をさらに発展させた概念で、2つ以上の量の関係を簡潔に表現する方法です。

比の基本操作
比を自在に扱うために、以下の操作を完璧にマスターしましょう。
- 約比:6:9 → 2:3(最大公約数で割る)
- 比を揃える:連比で3つ以上の量の関係を表す
- 比の値:a:b → a÷b の値を求める
- 逆比:速さの比がa:bなら、時間の比はb:a
逆比の理解が合否を分ける
逆比は中学入試で頻出のテーマです。例えば、太郎君と花子さんの速さの比が4:3のとき、同じ距離を歩く時間の比は3:4になります。「道のりが同じなら、速さと時間は逆比」という関係は必ず暗記しておきましょう。
| 条件 | 速さと距離の関係 | 速さと時間の関係 |
|---|---|---|
| 時間が一定 | 速さの比 = 距離の比 | ー |
| 距離が一定 | ー | 速さの比 = 時間の逆比 |
| 速さが一定 | 距離の比 = 時間の比 | ー |
比を使った問題の解き方
比を使うと、具体的な数値がわからなくても問題を解くことができます。
- 問題文から比の関係を読み取る
- 必要に応じて連比に揃える
- 比の1あたりの量を求める
- 求める量を計算する
算数の頻出単元と対策法も参考にしてください。
速さの基本と攻略法
速さは割合と比の知識を総動員して解く総合的な単元です。
速さの3公式
速さの問題の基本となる3公式です。
- 速さ = 距離 ÷ 時間
- 距離 = 速さ × 時間
- 時間 = 距離 ÷ 速さ
「み・は・じ」の図で覚えるのが一般的ですが、速さの問題の重点ポイントとして、公式の暗記だけでなく意味を理解することが重要です。
速さの単位変換
速さの問題では単位変換が頻繁に必要になります。以下の変換を即座にできるようにしましょう。
- 時速→分速:÷60
- 分速→秒速:÷60
- 時速→秒速:÷3600
- km→m:×1000
例:時速72km = 分速1200m = 秒速20m
速さと比を組み合わせた解法
速さの応用問題では、比を使った解法が非常に有効です。京進の解説記事でも強調されているように、比を使えば方程式を使わずに効率的に解けます。
旅人算・通過算・流水算の攻略
速さの応用問題として、旅人算・通過算・流水算は入試での出題頻度が高い重要テーマです。

旅人算の基本パターン
旅人算は2人の人物が関わる速さの問題です。基本は2パターンあります。
出会い算:向かい合って進む場合
- 2人の間の距離 ÷ 速さの「和」 = 出会うまでの時間
追いかけ算:同じ方向に進む場合
- 2人の間の距離 ÷ 速さの「差」 = 追いつくまでの時間
旅人算を確実に理解することが、通過算や流水算の基礎になります。
通過算のポイント
通過算は電車などの長さのあるものが通過する問題です。
- ポイントを通過:電車の長さ分だけ余分に走る
- すれ違い:2つの電車の長さの和 ÷ 速さの和
- 追い越し:2つの電車の長さの和 ÷ 速さの差
流水算のポイント
流水算は川の流れを考慮した速さの問題です。流水算の解き方を参考に、以下の4つの速さを整理しましょう。
| 種類 | 意味 | 計算方法 |
|---|---|---|
| 静水時の速さ | 流れがないときの船の速さ | 基準となる速さ |
| 川の流れの速さ | 川の水が流れる速さ | 問題文で与えられる |
| 上りの速さ | 川を上るときの速さ | 静水時の速さ − 川の速さ |
| 下りの速さ | 川を下るときの速さ | 静水時の速さ + 川の速さ |
入試頻出パターンと実戦演習のコツ
実際の入試では、速さ・割合・比が複合的に出題されることが多くあります。
売買損益算(割合の応用)
仕入れ値に利益を加えて定価を設定し、割引して売る問題です。
- 定価 = 仕入れ値 ×(1 + 利益率)
- 売値 = 定価 ×(1 − 割引率)
- 利益 = 売値 − 仕入れ値
食塩水の濃度(割合の応用)
食塩水の濃度は割合の代表的な応用問題です。
- 濃度 = 食塩の量 ÷ 食塩水の量 × 100
- 混ぜ合わせる問題は「てんびん法」が効率的
ダイヤグラム(速さとグラフ)
ダイヤグラムは速さの問題をグラフで表現したものです。2人以上の動きを視覚的に捉えることで、複雑な問題も整理しやすくなります。
中学受験の算数の図形問題と同様に、視覚的な理解が攻略の鍵です。
効果的な学習順序と勉強法
速さ・割合・比を効率的にマスターするための学習順序を紹介します。
推奨する学習順序
- 割合の基本(小4後半〜小5前半):3公式と変換を完璧に
- 比の基本(小5前半):約比・連比・逆比をマスター
- 速さの基本(小5後半):3公式と単位変換
- 速さと比の融合(小5後半〜小6):比を使った速さの解法
- 応用問題(小6):旅人算・通過算・流水算・ダイヤグラム
苦手克服の具体的ステップ
Z会のプロ解説でも推奨されているように、以下のステップで苦手を克服しましょう。
- 基礎に戻る:分数の計算が不安なら、まず分数からやり直す
- 図を描く習慣:線分図・面積図・ダイヤグラムを必ず描く
- パターン別演習:問題タイプごとに解法を整理する
- 混合問題に挑戦:複数の単元が絡む問題で実力を試す
- 時間を意識する:入試本番を想定した制限時間付き演習
文章題の解き方とコツも合わせて練習すると、総合力が高まります。
まとめ:速さ・割合・比は算数の最重要テーマ
速さ・割合・比は中学受験算数の中で最も出題頻度が高く、かつ最も差がつきやすい分野です。攻略のポイントは以下の通りです。
- 割合→比→速さの順に基礎を固める
- 図を描いて視覚的に理解する習慣をつける
- 逆比などの重要概念を確実に暗記する
- 旅人算を基本に、通過算・流水算へ応用する
- 入試頻出パターンを繰り返し練習する
これら3単元を完全攻略できれば、算数の偏差値は確実にアップします。算数の偏差値を上げる勉強法も参考にして、計画的に学習を進めましょう。
よくある質問(FAQ)
Q: 速さ・割合・比のうち、どれから勉強すべきですか?
A: 割合→比→速さの順に学習するのがおすすめです。割合が比の基礎となり、割合と比の両方が速さの問題を解くために必要だからです。
Q: 「みはじ」の図だけでは解けない問題はありますか?
A: はい。入試レベルでは比を使った解法が必要な問題が多数出題されます。公式の暗記だけでなく、比を使って柔軟に解く力を養いましょう。
Q: 速さの問題で図を描くのが苦手です。どう練習すればいいですか?
A: まず簡単な問題から線分図やダイヤグラムを描く練習を始めましょう。最初は時間がかかっても、繰り返すうちに素早く正確に描けるようになります。
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