高校受験英語の長文読解を攻略するテクニック

高校受験の英語試験において、長文読解は最も配点が高い分野です。都立高校の入試では出題内容の約7割が長文読解で占められており、この分野を攻略できるかどうかが合否を大きく左右します。しかし、多くの中学生が「長文が読めない」「時間が足りない」と悩んでいるのも事実です。
高校受験英語の長文読解を攻略するテクニック
高校受験の英語試験において、長文読解は最も配点が高い分野です。都立高校の入試では出題内容の約7割が長文読解で占められており、この分野を攻略できるかどうかが合否を大きく左右します。しかし、多くの中学生が「長文が読めない」「時間が足りない」と悩んでいるのも事実です。
本記事では、高校受験英語の長文読解を確実に攻略するための具体的なテクニックを、基礎固めから実践的な解法まで段階的に解説します。正しい読み方と解き方を身につければ、長文読解は得点源に変わります。
高校受験における長文読解の重要性
高校入試の英語試験は、大きく分けて読解(約62%)、リスニング(約29%)、ライティング(約9%)の3つで構成されています。このデータからも分かるように、英語試験全体の6割以上を読解問題が占めているため、長文読解の対策は避けて通れません。
近年の高校入試では、長文の語数が増加傾向にあり、以前は300〜400語程度だった問題が、現在では500〜700語を超えるものも珍しくありません。さらに、単純な内容理解だけでなく、筆者の意見を読み取る問題や、複数の情報を統合して答える問題も増えています。
長文読解が苦手な生徒に共通するのは、以下の3つのパターンです。
- 単語力の不足:知らない単語が多すぎて文の意味が取れない
- 文法理解の曖昧さ:関係代名詞や分詞構文など複雑な構文が読み解けない
- 読み方の非効率さ:一語一語を日本語に訳しながら読んでいる
これらの課題を一つずつ克服していくことが、長文読解攻略の第一歩です。
長文読解の土台となる基礎力の強化法
長文をスムーズに読むためには、まず土台となる基礎力を固める必要があります。どんなテクニックも、基礎力がなければ活かすことができません。

英単語の効率的な覚え方
高校受験に必要な英単語は約1200〜1500語と言われています。効率的な暗記法として、単語カードの表面に英単語、裏面に意味と例文を書く方法がおすすめです。例文と一緒に覚えることで、文脈の中での使い方が自然と身につきます。
単語学習で重要なのは、一問一答式の丸暗記を避けることです。たとえば「run」を「走る」とだけ覚えていると、「run a business(事業を経営する)」のような文脈で意味が取れなくなります。複数の意味を持つ単語は、代表的な用法をセットで覚えましょう。
文法の確認ポイント
長文読解で特につまずきやすい文法事項は以下の通りです。
| 文法事項 | つまずく理由 | 対策法 |
|---|---|---|
| 関係代名詞(who, which, that) | 修飾関係が分からない | 先行詞に印をつけて読む |
| 不定詞の3用法 | 名詞的・形容詞的・副詞的の区別 | 文中の位置で判断する練習 |
| 分詞の後置修飾 | 形容詞句として認識できない | 短い例文で構造を理解 |
| 接続詞(because, although等) | 節と節の関係が掴めない | 接続詞の前後を意識して読む |
| 受動態 | 能動態との切り替えが難しい | by以下の動作主を意識する |
| 比較級・最上級 | 比較対象の見極めが難しい | thanやof/inの後に注目 |
文法を確実に身につけるためには、まず中学1年から3年までの文法事項を総復習し、理解が曖昧な部分を重点的に復習しましょう。
設問先読みテクニックで効率アップ
長文読解の鉄則として、いきなり本文を読み始めないことが挙げられます。まず設問と選択肢に目を通してから本文を読む「設問先読み」テクニックを身につけましょう。

設問先読みの具体的な手順
- 設問文をすべて読む(選択肢もざっと確認)
- 何を聞かれているか把握する(内容一致、理由、指示語の指す内容など)
- キーワードにアンダーラインを引く
- 本文を読み始める
- 該当箇所が見つかったら設問に戻って解答する
この方法のメリットは、読む目的が明確になるため、必要な情報を効率的に拾えることです。漫然と本文を読むよりも、はるかに集中力を保ちやすくなります。
設問タイプ別の読み方
設問のタイプによって、読み方を変えることも重要です。
- 内容一致問題:本文全体を読んでから解く(部分的な情報で判断しない)
- 空所補充問題:前後の文脈と文法的なつながりに注目
- 指示語問題:指示語の直前の内容を確認
- 要旨把握問題:各段落の最初と最後の文を重点的に読む
- 語句の意味推測:前後の文脈からヒントを探す
設問先読みの習慣がつくと、テスト本番の時間配分も改善され、時間切れのリスクが大幅に減ります。
スラッシュリーディングで読解スピードを上げる
英語を日本語の語順に並べ替えて訳す「返り読み」は、長文読解では最大の時間ロスになります。代わりに取り入れたいのがスラッシュリーディングです。
スラッシュリーディングとは
文を意味のまとまりごとにスラッシュ(/)で区切り、英語の語順のまま前から意味を取っていく読み方です。
例文:
```
I went to the park / with my friends / to play soccer / last Sunday.
私は公園に行った / 友達と / サッカーをするために / 先週の日曜日に
```
このように、英語の語順のまま意味を処理していくことで、返り読みをする必要がなくなり、読解スピードが飛躍的に向上します。
スラッシュを入れるポイント
スラッシュを入れる位置には一定のルールがあります。
- 前置詞の前(in, at, on, to, for, with など)
- 接続詞の前(that, when, because, if, although など)
- 関係代名詞の前(who, which, that など)
- 不定詞(to + 動詞)の前
- カンマ(,)の位置
- 長い主語と動詞の間
最初は意識的にスラッシュを書き込みながら練習し、慣れてきたら頭の中でスラッシュを入れながら読めるようになることを目指しましょう。毎日15分のスラッシュリーディング練習を続ければ、2〜3週間で読むスピードが目に見えて変わってきます。
接続詞・ディスコースマーカーに注目する読み方
長文全体の論理構造を把握するうえで、接続詞やディスコースマーカー(文と文をつなぐ表現)への注目は欠かせません。これらの表現に印をつけながら読むだけで、文章の流れが格段に掴みやすくなります。
重要なディスコースマーカー一覧
| 機能 | 表現例 | 読み方のポイント |
|---|---|---|
| 逆接・対比 | but, however, although, on the other hand | 前の内容と反対の情報が来る |
| 追加・列挙 | and, also, in addition, moreover, first/second | 同じ方向の情報が続く |
| 因果関係 | because, so, therefore, as a result | 原因→結果の関係を把握 |
| 例示 | for example, such as, like | 具体例が続くので補足情報 |
| 結論 | in conclusion, finally, in short | 筆者の最終的な主張が来る |
| 言い換え | in other words, that is, namely | 前の内容を別の表現で説明 |
特に注目すべきはbut、howeverなどの逆接表現です。入試問題では、逆接の後に筆者の主張や重要な情報が来ることが多く、設問の答えに直結するケースが頻繁にあります。
接続詞に注目する習慣をつけると、段落ごとの役割(導入→展開→結論)が見えるようになり、英語の総合的な読解力が飛躍的に伸びます。
パラグラフリーディングで全体像を掴む
長文を段落(パラグラフ)単位で読み解くテクニックがパラグラフリーディングです。英語の文章は通常、各段落に一つの主題(トピックセンテンス)があり、残りの文がそれを補足する構造になっています。
パラグラフリーディングの実践法
- 各段落の最初の1〜2文を特に注意して読む(トピックセンテンスの可能性が高い)
- 段落ごとにキーワードを1〜2語メモする
- 段落間のつながりを意識する(前の段落とどう関係しているか)
- 読み終えた後、メモを見て全体の流れを確認する
この方法は特に要旨把握問題やタイトル選択問題に効果的です。全文を細かく理解しなくても、各段落のポイントを押さえるだけで正答できる問題が多いためです。
高校入試の長文は通常4〜6段落で構成されることが多く、典型的な構成パターンは以下の通りです。
- 第1段落:テーマの導入・問題提起
- 第2〜4段落:具体例・データ・エピソード
- 最終段落:まとめ・筆者の意見
この構造を頭に入れておくだけで、初見の長文でも内容の予測が立てやすくなります。
実践的な問題演習の進め方
テクニックを学んだら、実際の問題演習で定着させることが不可欠です。ただ漠然と問題を解くのではなく、効果的な演習方法を意識しましょう。

段階的な演習プラン
第1段階(基礎固め):教科書レベルの長文
- 学校の教科書の長文を使って、スラッシュリーディングの練習
- 1日1題、15〜20分で取り組む
- 目標:返り読みをせずに読み通せるようになる
第2段階(実力養成):問題集の標準レベル
- 市販の問題集で実戦的な演習
- 時間を計って解く習慣をつける
- 1日1〜2題、間違えた問題は必ず復習
第3段階(実戦力完成):過去問演習
- 志望校の過去問を最低3年分解く
- 本番と同じ時間配分で解く練習
- 出題傾向の分析と弱点の把握
復習の仕方が成績を分ける
問題演習で最も重要なのは復習の質です。以下の手順で復習しましょう。
- 答え合わせ後、間違えた問題の本文該当箇所を再読
- 知らなかった単語・熟語をリストアップ
- 辞書で意味を調べて単語ノートに記録
- 和訳を見ずに自力で全文を訳してみる
- 翌日、同じ長文を音読する
特に音読は長文読解力を伸ばす最強の復習法です。音読を繰り返すことで、英語の語順のまま意味を取る感覚が体に染みつきます。1つの長文につき最低5回は音読することを目標にしましょう。
長文読解で差がつく時間管理術
高校入試の英語試験では、長文問題に十分な時間を確保することが高得点の鍵です。多くの受験生が時間不足で最後まで解ききれないという経験をしています。

時間配分の目安
50分の英語試験の場合、以下のような配分が理想的です。
| セクション | 配分時間 | ポイント |
|---|---|---|
| リスニング | 約10〜15分 | 試験開始直後に実施 |
| 文法・語彙問題 | 約10分 | 素早く解いて長文に時間を回す |
| 長文読解(1題目) | 約10〜12分 | 設問先読み→本文→解答の流れで |
| 長文読解(2題目) | 約10〜12分 | 同上 |
| 見直し | 約5分 | マークミスがないか確認 |
文法問題は1問あたり30秒〜1分を目安に素早く解き、余った時間を長文読解に回すことが重要です。テスト全体の時間配分をあらかじめ決めておき、模試で練習しておくと本番で慌てずに済みます。
分からない問題への対処法
長文中に分からない単語や問題が出てきた場合、以下のルールを守りましょう。
- 1つの問題に2分以上かけない
- 分からない単語は前後の文脈から推測する
- それでも分からなければ飛ばして先に進む
- 最後に時間が余ったら戻って考える
完璧を目指して1問に時間をかけすぎると、解ける問題まで時間切れになってしまいます。「取れる問題を確実に取る」意識が高得点につながります。
まとめ:長文読解攻略のロードマップ
高校受験英語の長文読解を攻略するためのポイントを整理します。
基礎固めの段階:
- 英単語1200〜1500語を例文付きで覚える
- 中学文法の総復習で弱点を潰す
- 基礎からの学習計画を立てる
テクニック習得の段階:
- 設問先読みで読む目的を明確にする
- スラッシュリーディングで前から読む習慣をつける
- 接続詞・ディスコースマーカーに注目する
- パラグラフリーディングで全体像を掴む
実戦力完成の段階:
- 問題演習を毎日続ける
- 復習と音読を徹底する
- 過去問で出題傾向を把握する
- 時間管理を意識した練習をする
長文読解は一朝一夕にできるようになるものではありませんが、正しい方法で継続的に練習すれば、確実に力がつきます。まずは今日から、設問先読みとスラッシュリーディングを実践してみてください。毎日の積み重ねが、入試本番での自信と得点力につながります。
参考リンク:
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